大阪での会社設立事例【2018年11月】
2018年の11月某日、大阪市内の製造業のお客様が会社を設立されました。
このお客様、何と社歴が30年になります。
・・・?
25年続いた会社があるのに、会社を設立する?
・・・どういうことでしょう?
実は、利益が出ている会社がもう一つ別の会社を設立するのはそんなに珍しい事ではありません。
(あなたも意外とどこかで聞いたことがあるかもしれませんね)
本来経営では、1つのビジネス・1つの会社でスタートしますよね。
ところが、1つのビジネスを2つの会社で行っても問題ない場合があります。
鋼材卸(鉄骨などを仕入れて販売すること)と製造(例えば鉄骨を加工すること)の両方を1社で行っている場合には、鋼材卸会社と製造会社が2社で行っても問題ない(場合がある)わけです。
作業の工程ごとに会社を分ける、というイメージです。
もちろん、実態が伴っていなければ税金逃れと思われてしまう可能性がありますので、切り分けられないビジネスを無理やり2つに分けることは問題があります。
つまり、
・鋼材卸会社は卸(おろし)として実際に経営をしていること
・製造会社は、卸会社から仕入れた材料を加工する
これらの事業を実際に別々に行っていることが必要です。
- 今まで25年やってきた会社では鋼材卸の経営はやめる。
- 新しく設立した会社で、鋼材卸会社を経営する。
これまで一つの会社で行っていたビジネスを、二つの会社で行うのです。
そして、その通り業務が行われていくことになります。
このようにすることで、節税が可能になります。
理由は、法人税は「もうけ」が一定の金額までは税率が低いからです。
一社で1600万円儲けた場合と、二社で800万円ずつ設けた場合とでは、トータルの法人税の金額が少なくなるのです。
この仕組みがあるので、会社を二社に分けるということが節税につながります。
ただし、税務署の考え方として、
「節税のため『だけ』に」行われたことは、認めない
というものがあります。
ですから、会社を二社に分ける場合には、
節税のため『だけ』ではなく、節税以外のちゃんとした目的が必要になります。
この税務署の考え方に違反してしまうと、せっかくの節税がなかったことになってしまうので、注意してください。
税務署の考え方に反しないようにするためには
節税以外のちゃんとした目的どおりに経営しているという「経営実態」をきちんと整える必要があります。

大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社
二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事
特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力
ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感
日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導