経営者が知るべき税理士の顧問料相場|重要事項を徹底解説
1. はじめに
経営者にとって、税務問題は切っても切れない重要な課題です。
税理士に顧問を依頼することで、税務リスクを軽減し、経営の安定化を図ることができます。
しかし、税理士の顧問料や報酬体系は多岐にわたり、どの税理士を選ぶべきか悩む経営者も少なくありません。
本記事では、税理士の顧問料・報酬の相場と、選び方のポイントについて詳しく解説します。
税理士に顧問を依頼するメリットは、税務申告の正確性と適時性の確保、税務調査対応の円滑化、税務リスクの早期発見と対策、経営判断のサポートなど多岐にわたります。
一方で、顧問料の負担や、税理士との信頼関係の構築といった課題もあります。経営者は、自社の状況に合った最適な税理士を選び、長期的な視点で税務対策に取り組むことが求められます。
本記事を通じて、税理士の顧問料・報酬体系について理解を深め、自社に最適な税理士選びのポイントを掴んでいただければ幸いです。
2. 税理士の顧問料・報酬体系
2.1. 顧問料の相場
税理士の顧問料は、事業規模や業種、提供するサービス内容によって大きく異なります。一般的な相場は以下の通りですが、あくまで目安であり、個別の事情によって変動します。
個人事業主:月額3万円〜10万円程度
中小法人:月額10万円〜30万円程度
大企業:月額30万円〜100万円以上
2.1.1. 売上規模別の顧問料相場
売上高5,000万円未満:月額5万円〜10万円程度
売上高5,000万円以上1億円未満:月額10万円〜20万円程度
売上高1億円以上10億円未満:月額20万円〜50万円程度
売上高10億円以上:月額50万円〜100万円以上
2.1.2. 従業員数別の顧問料相場
従業員数10名未満:月額5万円〜15万円程度
従業員数10名以上50名未満:月額15万円〜30万円程度
従業員数50名以上100名未満:月額30万円〜50万円程度
従業員数100名以上:月額50万円〜100万円以上
顧問料の設定には、税理士の経験年数や専門性、事務所の規模なども影響します。
また、業種特有の税務問題を抱えている場合や、国際税務に関する支援が必要な場合は、より高い顧問料設定になる傾向があります。
2.2. 顧問料の料金体系
税理士の顧問料は、主に以下の3つの料金体系で設定されています。
1.月額制:毎月定額の顧問料を支払う方式。予算管理がしやすいメリットがある一方、業務量に関係なく一定の料金が発生します。
2. 時間制:税理士の作業時間に応じて報酬を支払う方式。業務量に応じた料金設定が可能ですが、作業時間が長引くと費用が嵩む可能性があります。
3. 年額制:年間の顧問料を一括で支払う方式。月額制と同様に予算管理がしやすいメリットがありますが、年度途中で契約を解除した場合の返金が難しい場合があります。
自社の業務量や予算状況に合わせて、最適な料金体系を選択することが重要です。
また、料金体系の組み合わせ(例:月額制+時間制)を採用している税理士事務所もあります。
2.3. 顧問契約の内容と提供サービス
税理士の顧問契約には、一般的に以下のようなサービスが含まれます。
- 税務申告書の作成と提出
- 税務調査への立会いと対応
- 税務に関する相談・助言
- 経理業務の指導・支援
- 経営計画の策定支援
- 資金繰り管理の助言
- 財務諸表の分析と改善提案
- 法人設立や組織再編の支援
- 事業承継やM&Aの助言
ただし、具体的なサービス内容は税理士事務所によって異なります。自社に必要なサービスが含まれているか、契約前に確認しておくことが大切です。また、通常の顧問契約に含まれないサービスを追加で依頼する場合は、別途報酬が発生する点にも注意が必要です。
3. 税理士選びのポイント
3.1. 専門性と経験
税理士の専門分野や経験は、クライアントに提供できるサービスの質に直結します。自社の業種・業態に精通した税理士を選ぶことで、より的確なアドバイスを受けられます。特に、以下のような専門性を持つ税理士がおすすめです。
- 自社の業種に特化した税務知識を持つ税理士
- 国際税務に精通した税理士(海外展開を検討している場合)
- 事業承継やM&Aに関する知見を持つ税理士(将来的に事業承継やM&Aを考えている場合)
また、税理士の経験年数も重要な指標です。一般的に、経験豊富な税理士ほど、様々なケースに対応できる知識とスキルを持っています。ただし、経験年数だけでなく、扱ってきた案件の質や規模も考慮する必要があります。
3.2. 信頼関係の構築
税理士との信頼関係は、長期的な顧問契約を維持する上で欠かせません。
単に専門性だけでなく、人柄や価値観も重要です。相性の良い税理士を選び、定期的なコミュニケーションを通じて信頼関係を築いていくことが大切です。
また、税理士との信頼関係を構築するためには、経営者自身が税務に関する基本的な知識を持ち、税理士とのコミュニケーションを積極的に行う姿勢が求められます。
税理士との定期的な面談や、税務に関する情報共有を怠らないようにしましょう。
3.3. アクセスの利便性
税理士事務所までの距離や、連絡のしやすさも選定の際の重要な要素です。
緊急の相談にも迅速に対応してもらえるよう、アクセスの良い税理士を選ぶことをおすすめします。
また、オンラインでの相談に対応している税理士事務所も増えているため、リモートワークが主体の企業にはこうした選択肢も検討に値します。
ただし、オンライン相談を主体とする場合でも、初回面談や重要な局面では対面でのコミュニケーションを行うことが望ましいでしょう。
3.4. 報酬の透明性
税理士の報酬体系は複雑であり、料金の内訳が不明瞭なケースもあります。
見積もりの段階で、報酬の内訳を明確に提示してくれる税理士を選ぶことが重要です。
これにより、不必要なトラブルを避け、安心して顧問契約を結ぶことができます。
また、報酬の支払い方法や、追加料金の発生条件についても事前に確認しておくことが大切です。
3.5. 事務所の規模と体制
税理士事務所の規模や体制も、選定の際に考慮すべき点です。
大規模な事務所は、多様な専門家を擁し、幅広いサービスを提供できる一方、報酬が高額になる傾向があります。
一方、小規模な事務所は、よりパーソナルなサービスを提供できますが、対応可能な業務範囲が限られる場合があります。自社のニーズに合った規模と体制の税理士事務所を選ぶことが重要です。
また、税理士事務所の継続性や、税理士の交代リスクについても考慮する必要があります。
突然の税理士交代により、業務の継続性が損なわれるリスクを最小限に抑えるためにも、事務所の体制や後継者育成の状況を確認しておくことが望ましいでしょう。
4. 税理士変更のタイミング
税理士との顧問契約は長期的な関係性が基本ですが、以下のようなケースでは税理士の変更を検討すべきです。
- 税理士の専門性が自社のニーズに合わなくなった場合
- 税理士との信頼関係が損なわれた場合
- 事業規模の拡大に伴い、より高度な税務サービスが必要になった場合
- 報酬体系に不透明な部分が見られる場合
- 税理士の対応が遅延することが多くなった場合
- 税理士の助言や提案に具体性や実効性が欠けている場合
税理士の変更は慎重に行う必要がありますが、適切なタイミングで新しい税理士を選ぶことで、より効果的な税務対策を実現できます。ただし、税理士変更に伴う業務の引継ぎや、新たな税理士との信頼関係構築には一定の時間を要することを念頭に置く必要があります。
5. 税理士への相談の準備
税理士に相談する際は、事前の準備が重要です。以下の点に留意して、効果的な相談を心がけましょう。
- 相談内容を明確にし、必要な資料を準備する
- 自社の財務状況や経営課題を整理しておく
- 税理士に求めるサービスや支援内容を明確にする
- 予算や期限などの制約条件を伝える
- 定期的な面談や報告の頻度について確認する
これらの準備を行うことで、税理士とのコミュニケーションがスムーズになり、より的確なアドバイスを受けられるようになります。
また、相談の際には、経営者自身が税務に関する基本的な知識を持ち、税理士との対話に積極的に参加することが重要です。
5.1. 必要な資料の準備
税理士に相談する際は、以下のような資料を準備しておくことが望ましいでしょう。
- 直近の決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書など)
- 税務申告書の控え(法人税、消費税、地方税など)
- 経営計画書や事業計画書
- 資金繰り表や借入金の返済予定表
- 役員報酬や従業員給与の資料
- 固定資産や在庫の明細表
- 契約書や重要な取引に関する書類
これらの資料を事前に準備することで、税理士がより迅速かつ的確に自社の状況を把握し、適切なアドバイスを提供できるようになります。
5.2. 自社の財務状況と経営課題の整理
税理士に相談する前に、自社の財務状況と経営課題を整理しておくことが重要です。具体的には、以下のような点を確認しておきましょう。
- 売上高や利益率の推移
- キャッシュフローの状況
- 借入金の残高と返済状況
- 設備投資や人材投資の必要性
- 事業拡大や新規事業の計画
- 事業承継やM&Aの可能性
これらの情報を整理することで、税理士との相談がより具体的かつ実践的なものになります。
また、経営者自身が自社の財務状況や経営課題を正確に把握することで、税理士からのアドバイスをより効果的に活用できるようになります。
6. まとめ
税理士の顧問料・報酬体系は事業規模や業種によって異なり、料金体系も月額制、時間制、年額制など様々です。
顧問契約の内容を十分に確認し、自社のニーズに合ったサービスを提供してくれる税理士を選ぶことが重要です。
専門性、経験、信頼関係、アクセスの利便性、報酬の透明性、事務所の規模と体制を考慮し、慎重に税理士を選定することをおすすめします。
また、事業の成長や環境の変化に応じて、税理士の変更も視野に入れながら、長期的な視点で税務対策に取り組むことが経営者の責務と言えるでしょう。税理士への相談の際は、事前の準備を怠らず、効果的なコミュニケーションを心がけることが大切です。
適切な税理士を選び、信頼関係を構築することで、経営者は税務リスクを最小限に抑えつつ、事業の成長と発展に専念することができるのです。税理士は単なる税務の専門家ではなく、経営者の良きパートナーとして、企業の発展を支える重要な存在です。
本記事で提供した情報が、経営者の皆様が最適な税理士を選ぶための一助となれば幸いです。税務問題は経営の根幹に関わる重要な課題ですが、適切な税理士との協力関係を築くことで、その課題を乗り越え、企業の持続的な成長を実現することができるでしょう。
経営者の皆様には、自社の状況に合った税理士を選び、長期的な視点で税務対策に取り組んでいただくことをおすすめします。税理士との信頼関係を大切にし、適切な助言を得ながら、事業の発展を目指していきましょう。
※注意:この記事は、税理士の選び方に関する一般的なポイントを解説したものです。実際の税理士選定に当たっては、自社の状況に合わせて、より具体的かつ詳細な検討が必要です。また、本記事の内容は、2024年4月時点の情報に基づいており、今後の税制改正や経済状況の変化により、内容が変更される可能性があります。最新の情報を確認の上、税理士選定を進めていただくようお願いいたします。
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大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社
二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事
特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力
ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感
日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導