会社を設立する費用。誰に、いつ、いくら払うの? すべてを税理士が解説します!

 
会社設立は計画的に

 

 

これから事業を始めるために会社を設立したい!

でもその前に、会社の設立にかかる費用(お金)のこと、ざっくり知りたい。

 

費用って言っても、「誰に、いくら、いつ」払うものなの?
会社の設立費用について、自分でいろいろ調べてみたけど分かりにくいんだよね…

 

インターネット上では、顧問契約をすることを前提に設立にかかる費用を安く見せてたりとか。

でも、そんなんじゃキチンと計画的なお金の準備ができないですよね?

 

…ということで、この記事では、設立にかかるお金について、お金の面、特に「誰に」「いくら」「いつ」払うのかを中心に、すべての費用をまとめてみました。

この記事を読んで、まずはしっかりと資金計画を立ててくださいね。

あ、この記事で説明する設立にかかる費用は、基本的にはすべて設立後の会社の経費になるので、その点はご心配なく。

 

※この記事は、会社設立費用の準備をしっかりと理解していただくための記事です。「純粋に会社というものを設立する」以外の内容、例えば税理士報酬や事務所家賃などには触れていません。

それから、「資本金(元手)」というお金の準備については、別の記事でまとめますね。

 

設立手続きの一覧

 

ざっくり言うと、次の手続きを行います。

  1. 印鑑を作る
  2. 定款(会社の社内ルール)の認証(認定のようなもの)を受ける
  3. 資本金を振り込む
  4. 法務局に行く

 

少し細かく説明すると、

 

会社名を決定して、印鑑を作成

会社の基本事項(※1)を決定し、定款を作成(※2)

その後、

【公証役場にて】 認証を受ける(「設立登記申請書」も作成)

【銀行にて】   個人の口座に資本金を振込(振込後、通帳をコピー)

【法務局にて】  設立日に法務局へ。登記完了後、1週間ほどして謄本と印鑑証明書をもらう(※3)

 

設立手続きはだいたいこのようになります。

 

※1 事業目的、本店所在地、資本金、発起人(出資者)、役員構成など

※2 出資者(普通は社長になる人のことです)の「個人の」印鑑証明書を最低2通、取得しておく必要があります。

※3 謄本と印鑑証明書をもらったあと、普通は法人の銀行口座を開設します。税務署や年金事務所の手続きも忘れずに。

 

以上が、会社を設立するための手続きです。

では、このうちお金がかかる手続きはどれなのでしょうか?

 

設立手続きのうち、お金がかかるものは?

 

さきほど説明した手続きのうちお金がかかる手続きは、大きくこの4項目、と考えてください(自分ですべてやる場合)。

  1. 印鑑作成
  2. 定款認証
  3. 登録免許税
  4. 交通費、各種謄本発行手数料など

 

 

すべて一人で手続きを進める場合

 

「会社を退職日も決まり、そろそろ会社を設立したいと思っています。」

 

田中誠さん(仮名)は、現在は会社員ですが、13年勤めた会社を辞めて独立することが決まっています。

今は●年8月22日。退職日はきりのいい8月31日。退職日の翌日である9月1日には株式会社を立ち上げて、今までやってきた経営コンサルティングを今度は社長として運営していくことになっています。

誠さんの夢は膨らんでいます。

誠さんは、インターネットや本を読んで、一通り、会社の設立にかかる費用について調べましたがどれもよく分からない、という状態でした。

まずは自分でやってみようと思い、「設立手続きの一覧」を参考に一つずつやってみることにしました。

 

8月22日(火) ネットで会社の印鑑を発注

8月24日(木) 会社の印鑑が到着

8月25日(金) 近所のコンビニで個人の印鑑証明書を取得

8月26日(土) 自分で定款を作成、郵便局で収入印紙を購入

8月28日(月) 公証役場に行って定款の認証を受けた

8月29日(火) 登記申請書の作成

9月1日(金) 法務局に行って登記申請書の提出

9月8日(金) 再度法務局に行って登記簿謄本と印鑑証明書を取得

 

上記のようなスケジュールにしたがい、誠さんは手続きを進めていきました。

かかったお金をまとめてみると、

印鑑の発注:3万円

収入印紙:4万円

公証役場で払う定款認証手数料:5万円(当日、現金払い)

定款の謄本交付手数料:約2,000円(250円×ページ数)

登記申請の際、登録免許税:15万円(法務局の収入印紙窓口で現金払い)

登記簿謄本等発行手数料:3,450円

公証役場、銀行、法務局への交通費(例):合計で1,920円

 

まとめると
合計では、27万7,370円のお金がかかりました。

 

払ったお金の日付は下記の通りでした。

・8月22日に3万円

・8月28日に9万4,000円

・9月1日に15万円

・9月8日に3,450円

※交通費1,920円

 

この事例を踏まえて、会社設立費用ひとつひとつについて【誰に】【いくら】【いつ】払うのかを解説していきます。

 

印鑑作成

 

【誰に】

印鑑業者(ハンコヤドットコムなど)

【いくら】

相場を見てみると、1.5万~3万円がおススメです(高額なものはいくらでもありますが…)。

【いつ】

社名を決めたらすぐ発注するようにしてください。

 

※注意:たまに印鑑を発注するとき、会社名を間違えて発注してしまう方がいます。

※角印について:

最近は角印を使う場面は少ないので、角印だけは購入しなくても困ることはありません。

 

定款認証(ていかんにんしょう)

 

【誰に】

公証人役場の公証人

【いくら】

定款認証手数料 5万2千円

定款の謄本作成手数料 250円×ページ数

【いつ】

公証役場にて当日、現金で支払いを行います。

 

登録免許税(とうろくめんきょぜい)

【誰に】

法務局印紙窓口

【いくら】

15万円 or 6万円

 

株式会社の場合は、15万円と考えてください。

※計算式としては、資本金×0.7%(最低15万円)となっています。

つまり、資本金500万円であれば500万円×0.7%=3万5千円⇒最低15万円なので、15万円になります。

(資本金が2,200万円になると、15万円以上になります。)

合同会社の場合は、6万円と考えてください。

※計算式としては、資本金×0.7%(最低6万円)となっています。

つまり、資本金500万円であれば500万円×0.7%=3万5千円⇒最低6万円なので、6万円になります。

(資本金が859万円になると、6万円以上になります。)

※会社の種類

会社には「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があります。
この4種類のうち「合名会社」「合資会社」を設立する人はほとんどいないため省略します。また、昔は「有限会社」もありましたが、平成18年5月に廃止され、新たに作ることはできなくなったため省略します。

 

【いつ】

設立登記申請の当日

 

 

司法書士・行政書士に依頼する場合

 

「会社を退職日が近づいているので、急いで会社を設立したいんです!」

 

本間 勝治(かつじ)さん(仮名)は、現在は会社員。20年勤めた会社を辞めて独立することが決まっています。

今は●年8月25日。退職日はきりのいい8月31日。退職日の翌日である9月1日には株式会社を立ち上げたいと思っています。

とにかく時間がない。スピーディーに会社を設立したい、という状態でした。

また、手元資金も少ないため、できるだけ後払いでと考えていました。

 

そこで、インターネットで見つけた、会社設立の記事をたくさん書いている税理士さんに相談に行きました。

その税理士さんによると、税理士さんが提携している司法書士さんであれば、「スピーディーにやってくれますよ」とのことでした。

勝治さんはその司法書士さんにすべてをお願いすることにしました。

 

8月25日(金) 依頼した司法書士からヒアリングを受け、その日のうちにネットで会社の印鑑を発注

8月27日(日) 会社の印鑑が到着

8月28日(月) 近所のコンビニで個人の印鑑証明書を取得

9月1日(金) 会社の設立日

9月8日(金) 司法書士から登記簿謄本などが郵送で送られてきました。

 

かかったお金をまとめてみると、

印鑑の発注:3万円

収入印紙:司法書士による電子認証のため不要

司法書士に払う代行報酬:45,000円

公証役場で払う定款認証手数料:5万円(後日、司法書士から請求)

定款の謄本交付手数料:約2,000円(250円×ページ数)

登記申請の際、登録免許税:15万円(後日、司法書士から請求)

登記簿謄本等発行手数料:3,450円(後日、司法書士から請求)

公証役場、銀行、法務局への交通費(例):合計で1,920円

合計では、28万2,370円のお金がかかりました。

 

払った日付は下記の通りでした。

・8月25日に3万円

・9月25日に252,450円を司法書士に振り込み

※交通費1,920円

 

この事例を踏まえて、【誰に】【いくら】【いつ】払うのかを解説していきます。

 

印鑑作成(自分で手続きをする場合と同じ)

【誰に】

印鑑業者(ハンコヤドットコムなど)

【いくら】

相場を見てみると、1.5万~3万円がおススメです(高額なものはいくらでもありますが…)。

【いつ】

社名を決めたらすぐ発注するようにしてください。

 

 

印鑑以外

【誰に】

司法書士・行政書士に

 

【いくら】

・司法書士報酬 4万5,000円
・定款認証手数料 5万円
・(定款印紙代4万円)電子定款なら不要
・定款の謄本交付手数料 2000円前後

・登録免許税 15万円(詳しくは上述の通り)

・印鑑証明書手数料
・司法書士が立て替えた交通費、郵便料金等の実費

合計で、約25万円

 

【いつ】

 

印鑑代は発注時または納品時。

司法書士への支払いは翌月末など(司法書士により異なります)

 

 

 

以上をまとめると

 

自分でやってもプロに頼んでも、

28万円ぐらいはかかる、ということになります。
会社設立前後に、だいたいこれぐらいの支払いがあると考えておいてください。

 

ただ、司法書士に依頼した場合には、自分でやる手間が省けるので、トータルで考えると司法書士に依頼した方が得。ということになります。

しかも、司法書士が各種支払いを代行してくれて、あなたはお金の払いを遅くすることができるので、資金繰りも楽ということになります。

 

 

こんな失敗事例があります

 

 

「休眠会社を買い取ることで設立費用を節約したい!」

弊所のお客様で、こういう方がいました。

会社設立費用がもったいないからといって、
知り合いが1年以上休眠にしていた株式会社を買い取りました。

ところがその会社は設立届も青色の申請も申告も、すべて無視していた会社でした。
しかも、会社名は前の会社のまま。結局、社名、代表者、本店所在地などの変更に15万円ほどのお金がかかってしまいました。

設立時の届出をしていなかったことで、白色申告になっていたため青色申告に戻すのに2年以上かかってしまいました。

 

このような、「会社を他人から譲り受ける」方法は、一見、会社設立費用の節約になると思いがちなのですが、たいして節約にもなりません。

しかも、場合によっては「隠れ債務」がある恐れもあるので非常にリスクが高い方法になります。

 

このように、起業にはつきものの、「おいしい話」は基本的に断ってください
特にインターネットを中心に、会社設立がめちゃくちゃ安くできますとか、すべてゼロ円でできます…というような甘い話が非常に多くなっています。

 

もちろん起業にはコストを掛けたくないのも事実です。

でも、とりあえず安く会社ができればいいや…ではあとから後悔することになります。

 

 

まとめ

 

会社設立は、これから起業するあなたにとって分からないことだらけだと思います。
できるかぎり、わからないことが多い方にもわかるように書きました。

まだまだ分からないことがあると思いますが、一つずつ実行してみてください。
知識やノウハウはあとからでも取り返せますが、やってしまったこと、失ってしまった時間は取り戻せません

くれぐれも会社設立を「とりあえず」でやってしまった・・・ということのない
ようにしてくださいね。
「今」じっくり選んで、あなたの「時間」を大事に大事にしてください。

 

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