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会社設立する前に知っておくべき資本金を分かりやすく解説

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)

光熱費や人件費高騰による大幅なコストアップ・・・
しかし、中小企業の多くはコストアップを販売価格に反映できず苦しんでいます。「薄利多売」の時代は終わり、中小企業でも「値上げ」が必須の時代になりました。
この時代を勝ち抜くために、弊所独自の「強み集中」利益最大化経営計画を通して中小企業の支援を行っています。

代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

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「資本金をどのくらいの金額に設定すればいいのか分からない」

 

会社設立を考えている方は、そのようなお悩みをお持ちではないでしょうか?

 

会社を設立するための資本金は最低金額は1円ですが、金額が少ないと取引先との社会的信用を損なうこともあるため、目安として300万円以上を用意しましょう。

 

この記事では資本金の平均額や金額の決め方、払い込み方法、増資について解説します。

 

資本金に対する疑問が解消し、スムーズに払い込みまでできるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。

資本金を含む、会社設立手続きの流れについて動画でも解説しています。
 
 
 

 
 
 
 

 
 

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1.会社設立に必要な資本金とは

資本金とは、会社設立をするときに必要となる払い込みされた金銭を指します。資本金の金額は目的に合わせた金額を設定することが大切です。

 

1-1.資本金は最低金額はいくらなのか

会社法の改正により、最低1円からでも会社を設立できるようになりました。しかし、1円で会社を設立することは現実的ではありません。資本金は会社の規模を表し、会社設立から経営が安定するための資金として必要です。

 

1-2.資本金の平均額

1円では現実的ではないとすると、資本金はどのくらいの額を用意すればよいのでしょうか。

 

平成24年度の調査では、以下の結果となりました。(令和3年度の経済センサス・活動版は令和4年1月現在、集計中です。)

 
  資本金の金額 企業数(社) 合計に占める割合(%)
  300万円未満    74,885     4.6
  300~500万円未満  609,711   37.4
  500~1,000万円未満  214,636   13.2
  1,000~3,000万円未満  587,021   36.0
  3000~5,000万円未満    69,905     4.3
  5,000万~1億円未満    45,294     2.8
  1億円以上    28,630     1.8

出典:総務省 平成24年度経済センサス・活動調査

 

過去には最低資本金が決められていたため、有限会社であれば300万円以上、株式会社であれば1,000万円以上の資本金が必要でした。そのため「300万円以上500万円未満」「1,000万円以上3,000万円未満」がボリュームゾーンです。

 

ただし現在では最低資本金の規定がないため、資本金は減少していることが考えられます。少ない資本金で起業するなら300万円程度、企業での見た目、権威付けが重要な場合は、500万円以上が必要でしょう。

 

1-3.資本金を大きく見せる見せ金は違法

見せ金とは、資本金を大きく見せるために一時的に用意したお金のことです。

 

見せ金を利用して会社登記を行うと「公正証書原本不実記載等罪」に当たり、5年以下の懲役または50万円以下の罰金を科される恐れがあります。

 

会社法上でも違法となっているため、見せ金を利用しないようにしましょう。

 

2.会社設立するときの資本金の額を決める3つのポイント

前章では資本金の平均金額を解説しましたが、自分で会社を設立するときの資本金はどのような基準で決めるのか疑問が残っている方もいるでしょう。ここからは、資本金の額を決めるときの3つのポイントを解説します。

 

2-1.社会的信用

資本金の大きさによっては、信用の面でマイナスに見られてしまうことも少なくありません。

金融機関から貸し倒れのリスクがあると考えられ、融資が受けられない可能性もあります。金融機関の融資商品によっては、融資の上限額が資本金の2倍までと決められているため、資本金の金額が少ないと融資金額も少額しか借りられないこともあるでしょう。

 

2-2.許認可ビジネス

人材紹介・派遣業や旅行業などは、許認可の申請をするときに最低資本金が設定されています。

たとえば、労働者派遣業では2,000万円以上の資本金が必要です。それぞれの要件が細かく定められているものもあるため、事前にチェックすることをおすすめします。

 

2-3.税金

資本金が大きくない中小企業であれば税制が優遇されることもあるため、事前に確認しましょう。

たとえば、資本金が1,000万円未満の会社であれば、消費税が2年間納付免除を受けられます。法人税も、資本金1億円以下であれば優遇されます。具体的には法人税の原則の税率は23.2%ですが、特例により年間800万円以下の所得に対して、税率15%が適用されます。

 

3.会社設立するときの資本金の払込方法

資本金の金額が決まったら払い込み、払込証明書を作成する必要があります。ここからは、資本金を払い込み、払込証明書を作成するまでの流れを3ステップで解説します。 

 

3-1.発起人の口座を用意して、資本金を払い込む

会社設立前には、法人名義の口座を作れないため、株主の個人名義である発起人の口座を用意します。

現在持っている口座を利用できるため、新しく口座を作る必要はありません。発起人の口座に資本金を振り込みます。振り込んだ金額が資本金となるため、残高があったとしても必ず振り込みしなければなりません。

 

3-2.発起人が払い込んだ通帳のコピーを取る

振り込みが終わると、振り込まれた金額が分かる部分と、口座を特定できる通帳のページのコピーを取ります。インターネットバンキングの場合は、以下の情報が分かるページを印刷します。

  • 銀行名
  • 支店名
  • 口座名
  • 振り込まれた金額
 

3-3.払込証明書を作成する

発起人から資本金が払い込まれたことを証明する払込証明書を作成します。証明書の内容は、以下の内容を記載し、通帳のコピー一式をホチキスで止めると完成します。

  • 払い込まれた金額の総額
  • 払込株数
  • 1株あたりの払込金額
  • 払込日付
  • 本店所在地
  • 会社名
  • 代表取締役の氏名
 

4.資本金の増資・減資とは

増資とは資本金を増やすこと、減資は資本金を減らすことです。

増資は、事業拡大などの資金調達のために使われます。一方で、減資は赤字続きの企業が累積した損失をなくすためなどのネガティブな要因で行われます。ここからは、企業の事業拡大のために実施された増資について解説しますので、参考にしてください。

 

4-1.増資するメリット

増資のメリットは、返済の必要がない資金を調達できることです。

銀行からの融資は、元金の返済をしながら金利を支払う必要があります。一方で、増資は払い込みされた資金に対して株式を発行して渡すのみで、返済の必要がありません。

資本金が増えることで、対外的な信用も上がります。増資は会社が成長しているときに実施されることが多いため、取引相手に安心感を与え、対外的な信用が向上します。

 

4-2.増資する方法

実際に増資するときには、どのようにすればよいのでしょうか。増資の基本的なやり方は、以下の3ステップで行います。

  1. 企業が株式の発行をする
  2. 出資者(株主)を募る
  3. 出資者に株式を購入してもらう


増資には法務局の手続きが必要となり、増資金額×7/1,000の登録免許税を支払います。

また増資には以下の3つの方法があり、自社に合った方法で増資することが大切です。

増資の方法 概要
公募増資   新しい株式を発行し、証券口座を通じて投資家から出資を募る方法
株主割当増資  すでに出資している株主に、出資金と引き換えとして新たな株式を取得する権利を与える方法
第三者割当増資  提携先などの特定の第三者に出資を引き受けてもらう方法

現在は広く出資者を募ることができる公募増資か、市場を通さないため株価を自由に設定できる第三者割当増資で行われるケースが大半です。

ただし、増資を行うときの口座への払い込み手続きには注意が必要です。通常は発起人個人の口座に、資本金相当額を引き出した後に同額を振込をします。しかし、増資を行う場合は既に法人があるため、法人の口座に振り込みます。

 

5.まとめ

ゴール

資本金とは、会社を設立するために必要な払い込みされた金銭を指します。

最低金額は1円ですが、社会的信用度に欠けるため、最低300万円以上を用意しましょう。権威付けするためには、500万円以上の資本金を準備することをおすすめします。資本金の額を決めるときには、税金や許認可ビジネスの観点からも検討しましょう。

 

また会社を設立するときには、株式会社と合同会社のどちらを選べばいいのか迷う方も多いでしょう。

金融機関や取引先との社会的信用の観点から、株式会社をおすすめします。もし会社設立に迷ったときには、詳しい税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

大山俊郎税理士事務所では、思い描く会社にするための税務に関する相談ができます。

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    大山 俊郎

    大山俊郎税理士事務所代表税理士

    同志社大学商学部卒業後
    父が経営する年商50億の会社へ入社

    二代目経営者として
    現場での下積みから
    会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

    特に
    ・銀行との交渉
    ・経理の改善
    ・資金繰り
    ・事業承継の対策
    などに尽力

    ある親族との同族問題で自社の株式
    を売却をした経験から
    「会社のヒト・モノ・カネの管理は
    会社と経営者一族の運命を左右する」
    ことを痛感

    日本随一の
    「同族会社経営を経験した税理士」
    として事務所を開設し
    「会社にお金を残す節税マニュアル」
    を開発
    全国の同族会社の経営者・法人経営者
    向けに「会社を強くする仕組み作り」
    を指導

    大山俊郎のプロフィール

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