会社設立。印鑑の種類や大きさに決まりはある?
会社設立時には、さまざまな準備が必要となります。
そのうちの1つが、「印鑑」の準備です。
起業するとき、事業を拡大するとき、取引先と契約書を交わすときなど、ビジネスが契約の元に成り立っている以上は、印鑑は必ず必要なものになります。
そこで今回は【会社設立時の印鑑】の種類などについて、詳しくご紹介していきます。
会社設立の印鑑には種類、大きさに決まりはあるのでしょうか?起業家のみなさんが注文などをしやすいように徹底リサーチしてみました。
【会社設立】印鑑は最低1種類でもOK。でも・・・
会社を設立する時には、管轄の法務局に「法人実印」を届け出る必要があります。
ですから、会社設立時には、最低でも1本は印鑑を準備しなければなりません。そして、銀行印や社印などのその他の印鑑については、持つも持たないも自由となります。
では、どうして会社の印鑑をいくつか準備する必要があるのでしょうか?
それは、万が一のリスクを分散させるためです。会社設立時の代表印と銀行印を共有すると、1つの印鑑にリスクが集中してしまうので、ほとんどの会社が代表印と銀行印を分けています。印鑑を使用する機会が多いほどに、悪用されてしまう可能性も高まるため、会社設立時の印鑑は複数作っておくことをおすすめします。
【会社設立】印鑑は3種類を準備
会社設立時には、3種類の印鑑を準備することをおすすめします。リスクを分散させるためにも、1つだけではなく、複数印準備しておきましょう。
1.代表者印(法人実印)
会社設立時に、最低1つは準備しなければいけない印鑑が、代表者印です。
会社設立時に法務局に届け出を出した際に、登録する印鑑となっています。大きさに決まりはありませんが、直径10㎜~30㎜以内の印鑑になります。ほとんどの場合、18mmの丸印が使われることが多いです。
二重丸の代表印の内側には「代表取締役之印」、そして外側には企業名を彫ってもらいます。代表印を作ってもらうために業者に注文をすると、大体1週間はかかってしまうので、会社名が決まり次第、発注することをおすすめします。
代表印の役割について
代表印は、法人実印のことです。会社設立時の契約や登録、業務上の大切な取り引きなど、重要なシーンで利用することになります。
法人実印は会社設立時に、法律に従って法人として届け出た印鑑なので、認め印よりも会社として契約に真摯に向き合っているという気持ちを表しやすいのが特徴です。
2.銀行印
代表印は会社の代表取締役が使用して、銀行印は社内の経理担当者が使用することが多いですよね。代表印を何度も持ち出すのは紛失のリスクも高まりますので、銀行印を別に作っておくことをおすすめします。ただし会社の代表取締役が、自身で通帳管理をしている場合には、代表印と銀行印を共有する場合も多いです。
こちらも印鑑のサイズに決まりはありませんが、代表印よりも少し小さめのサイズにすると、見分けがつくので便利です。
3.社印(角印)
代表印ほどの重要性はなく、業務をおこなう上で必要不可欠な見積書・請求書・納品書・領収書などに押印する印鑑として使われます。
ほとんどが角印で、書類に邪魔にならないように、2cm四方の大きさがスタンダードになっています。
あったら便利なゴム印
住所・電話番号・FAX番号・会社名・代表者名などが明記された横書きのゴム印は、契約書の署名欄や封筒などに、自筆サインの代わりに使われます。
無くてもやっていけますが、あるととても便利なのがゴム印です。
【会社設立】印鑑の材質は?
会社設立にあたって、はじめて印鑑を作ることになったという人も多いでしょう。自分で注文する時に迷ってしまうのが、印鑑の材質です。
さまざまな素材で作られる印鑑ですが、会社設立時の印鑑にはどのような素材が使われることが多いのでしょうか?
一番人気は柘(つげ)
会社設立時の印鑑を作る時に、人気の素材は柘(つげ)という木材です。
耐久性に優れている上に、材質としても軽いので、最もスタンダードな素材と言えるでしょう。もし、印鑑の材質にあまりこだわらないというのなら、こちらの素材を選んでみてはいかがでしょうか。
耐久性抜群!高級な黒水牛
高級感があり、耐久性に優れているのが黒水牛です。耐久面に関しては、柘よりも優れているので、長きに渡って使い続けていきたいという人には最適です。
奮発する人もいる!チタンを選択する人も
柘や黒水牛を使った印鑑よりもお値段が跳ね上がりますが、チタンも素材の1つです。金属素材なので、摩耗することもなく、耐久性に関してはお墨付きです。
会社設立時に経営がうまくいくようにとの願掛けの意味も込めて、値段は高くてもチタンを使った印鑑を注文するという経営者もいます。
上記の2つと比べるとかなり高級にはなりますが、チタン製の印鑑を会社設立時に作成する人もいるようです。金属で出来ているため重厚感があり、また摩耗などの心配がほとんどないのが特徴だといえるでしょう。
【会社設立】印鑑の書体は?
会社設立時の印鑑を作る時、書体に関する特別な決まりは特にありません。しかしながら、書体にも種類や特徴がありますので、事前に調べておきましょう。
一番使われる!篆書体(テンショタイ)
お札に押印されている印鑑に使われているのが、篆書体(テンショタイ)です。最大の特徴は、可読性が低いところです。印鑑を偽装されるリスクの少ない書体なので、会社の実印に使用されることが非常に多いです。
偽装リスクを下げる。印相体(インソウタイ)又は吉相体(キッソウタイ)
印相体(インソウタイ)や吉相体(キッソウタイ)も、会社設立時の印鑑の書体に良く使われます。こちらの2つは、篆書体が進化した書体となっており、同様に偽造されにくい書体となっています。
もし、書体に関してこだわりが無い場合は、篆書体・印相体・吉相体の可読性の低い書体を選択するのが一般的です。
馴染みはあるが、可読性が高い。古印体
可読性が高いので、会社の実印には向いていません。日本人にとっては馴染み深い書体なので、認め印に使用されることがほとんどです。
認め印には、隷書体(れいしょたい)
可読性(かどくせい)が高い書体(読み取りやすい)なので、認め印に向いています。身近なもので言うと、お札に書かれている「日本銀行券」「壱万円」という文字が、隷書体になります。
以上、特別なこだわりが無い場合は、可読性の低い篆書体・印相体・吉相体などの書体をおすすめします。大切な印鑑ですから、出来るだけリスクの少ないものを作りましょう。
必要な実印について
会社設立時には「個人の実印」と「法人の実印」が必要となります。会社を法人登録する際には、登記申請の際に添付する「印鑑届出書」が必要となります。
法務局で入手できる印鑑届出書には、商号・所在地・代表者の氏名・会社の代表印・代表者の実印を押印しなければなりません。
会社設立時には、会社と代表者の両方の実印を準備しておくようにしましょう。
印鑑は会社の顔
会社設立時に印鑑を作るときには、会社の顔を作るのだという考えのもとに、作成するようにしましょう。10.5mm、12㎜、13.5mmの小さめの印鑑が使いやすいと思われがちですが、会社の重要な書類の、その大きさの印鑑ではちょっと物足りない気もします。起業、独立開業、会社設立の際には、すこし大きめの印鑑を作ることをおすすめします。
正直なところ、会社設立時の印鑑のサイズが、直接経営に影響を与えるわけではありません。しかしながら、小さな印鑑よりも大きめの印鑑の方が、相手になんとなくしっかりとした印象を与える場合もあります。
ちょっとしたことなのですが、気になる人は気になります。
大きな仕事の契約を結ぶとき、大切な契約書類に印鑑を押す時、「会社の顔」として自信を持って押せる印鑑を作るべきです。
【会社設立】印鑑、どうやって準備する?
会社設立時の印鑑は、街のはんこ屋さんやインターネット通販でも購入することができます。ご近所に顔なじみのはんこ屋さんがある場合は、ぜひ直接足を運んでみてはいかがでしょうか。自分のイメージを直接伝えることができますし、専門のスタッフが良い商品を薦めてくれるかもしれません。
しかしながら、会社設立時はとても忙しい日々が続き、ご近所のはんこ屋さんの営業時間内に直接足を運ぶのが難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、インターネットで気軽に注文なさってはいかがでしょうか。
インターネット検索にて「印鑑 作成」「会社設立時 印鑑」と入力すると、たくさんのサイトがヒットしますので、その中から予算や口コミ評価などをリサーチしてお選びになってください。
会社設立セットが便利!
「会社設立時に、どのような印鑑を準備したら良いのか分からない」「会社設立時に必要な印鑑を、まとめて揃えたい」という人には、会社設立セットという商品があります。
ハンコ屋さんによって、商品名には多少の違いがありますが、会社設立時に揃えておいた方がよい印鑑をまとめて購入できるというものです。
納期には余裕を持ちましょう
会社の印鑑は、言わば世界で1つだけのアイテムです。
気軽に購入できる市販のものではなく、オーダーメイドのオリジナルアイテムと思ってください。ですから、注文をして即日手に入ることは難しいでしょう。早いところでも納期に2~3日、1週間ほどかかるものだと思って頂いて構いません。
会社名が決まったら、余裕を持って印鑑作成の注文をしてください。
まとめ
いかがでしたか?今回は「会社設立に必要な印鑑」について、お話をしました。
基本的には、代表印・銀行印・社印・ゴム印の4つを揃えておくことをおすすめします。一番重要な代表印は、社内の複数人で共有するのではなく、リスク回避のためにも代表者のみの使用が賢明でしょう。第三者に経理を任せる際には、別に銀行印を作り、会社の口座開設や手形の取引の際に使うようにしてください。
実際に印鑑を使う人、目的によって、準備すべき印鑑も変わってきますので、会社設立時の印鑑準備は今後のこともよく考えた上で進めてくださいね。
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大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社
二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事
特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力
ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感
日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導