保育園経営の危機、2026年の赤字連鎖はなぜ起きる?補助金に頼らない生き残り戦略を税理士が解説

保育園がどんどん潰れている──そんな現実、知っていますか?
「保育園は国の補助金で守られてるんでしょ?」
そう思っている方も少なくないかもしれません。
でも今、保育園の現場では、想像以上に深刻なことが起きています。
2025年、保育園の倒産件数が過去最多を更新しました。
運営者が「もうやっていけない」と音を上げるほど、業界は追い詰められています。
少子化が進む中、補助金があっても潰れる。
なぜそんな事態に陥っているのか―
この記事では、保育園倒産ラッシュの実態と、そこに潜む課題を深掘りしていきます。
補助金があっても厳しい…保育園の経営はなぜこんなに苦しいのか?
保育園の運営は、国からの補助金(施設型給付費など)に大きく依存しています。
しかしこの補助金、実は“人件費中心”で、建物の家賃や光熱費、物価の上昇分まではカバーしきれません。
さらに、保育士の数や設備基準も厳しく定められていて、決して「自由に経営できる」業態ではありません。
補助金があるから安心──なんて、現場では通用しないのが実情です。
保育士が足りない。採用できない。現場が壊れていく
もうひとつの大きな問題は、保育士不足です。
ただでさえ過酷な仕事、そこに人手不足が加わり、現場は限界に近づいています。
保育士1人にかかる負担は大きくなり、精神的にも体力的にも消耗して辞めていく…。
採用コストも上がり、運営者は「雇いたくても雇えない」ジレンマに陥っています。
地方は園児が集まらない。都市部はコストが重すぎる
地方では少子化の影響が顕著で、そもそも園児が集まらないという問題があります。
一方、都市部では家賃や人件費が高騰し、補助金だけでは到底まかないきれない状態です。
つまり、「どこでやってもキツい」のが、今の保育園業界の現実です。
【実話】倒産した保育園のリアル
ケース1:東京・中規模園の倒産
ビル型施設で高額な家賃、加えて保育士が集まらない。
保護者対応にも追われ、精神的にも疲弊。結果、閉園に追い込まれました。
ケース2:地方・小規模園の閉鎖
園児が激減し、収入が半減。ICTも導入できず事務作業は手作業のまま。
赤字が続き、補助金だけでは維持できず閉園。
解決策はあるのか?保育園経営の打開ポイント
ICT導入で「人が足りなくても回る」仕組みを作る
登降園管理、連絡帳、勤怠管理などのデジタル化で、少ない人数でも運営できる体制を整えることが重要です。
保育士の待遇を改善し、辞めさせない仕組みへ
給与や勤務体制、メンタルケアの充実で、人が定着する職場づくりを。
「人が辞めない園」は、それだけで強いです。
国や自治体による「経営支援型」の補助制度が必要
今の補助金制度では限界があるのは明らか。
経営支援やコンサル的な行政のサポートが今後のカギになります。
まとめ:保育園は“社会インフラ”。今こそ守る行動を
保育園は単なる教育施設ではありません。
働く家庭、ひとり親家庭、すべての子育て世帯を支える社会の土台です。
このまま倒産ラッシュが続けば、育児と仕事の両立はますます難しくなり、
さらなる少子化を招くという悪循環に陥ります。
今、保育園が抱える課題に「社会全体で目を向けること」が、未来の子どもたちを守る第一歩です。
大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
社長が大きなお金を動かす前に、税務・資金繰り・銀行対応の視点から「会社にお金が残る判断」を支援しています。
年商50億規模の製造業で経営現場を経験。
著書
『SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集』
近畿税理士会所属
税理士番号:127208