飲食店の開業は「法人」じゃなくて「個人事業主」から?一般論を鵜呑みにすると損!
大阪市内で飲食店の開業融資に力を入れている税理士の大山です。
最近、飲食店を開業予定の方からよく聞かれる質問があります。
それは
飲食店を開業しようと思ってますが、個人事業主のままでいいのか、法人にした方がいいのかどっちでしょう?
というものです。
結論から先に言わせていただくと…
一般的に個人事業主からでよいと言われがちですが、ケースバイケースです。一般論を鵜呑みにしない方がいい!!
ということです。
今日は、飲食店を開業する場合、個人事業主、法人、どちらがいいのかについてお話したいと思います。
「飲食店の開業はまず個人事業主から~」という風潮になっている根拠
この話は飲食店に限った問題ではなく、自分で何か事業をしている人全員に当てはまります。
なぜ「まずは個人事業主から」という風潮なのか?からご説明しますと、事業を開始してすぐの場合利益が少ないケースが多いのが一般的です。仮に法人にすると社会保険料の支払う比率が30%になり、また法人税や市民税、府民税など支払わねばなりません。
これらは儲かっていようがいまいが会社として存在するだけで支払わないといけないものです。ちなみに法人税は年間7万円、市民税2万円(大阪市の場合)府民税5万円(大阪府の場合)かかります。
「儲かってないうちから法人にするのは損である、まずは個人事業主から~」という根拠の一つは、ここから来ているわけです。
飲食店の開業。いきなり法人でOKなケースだってあります
ただ一般論は、あくまで一般論なわけです。
僕がお客様と接していて最近感じているのは、この「まずは個人から」の風潮が広まりすぎて逆に損をしている人がいらっしゃるということです。
僕が最近相談を受けた事例でご説明します。その方は新たに飲食店を開業するけれど、大手飲食店チェーン店のオーナーの元からの独立で、場所も有名なショッピングセンターの一角が決まっていました。ただ資金面で不安があったので僕の方で融資の対応をさせていただきました。
この場合、お店の場所から考えて利益が大きくなることは明らかでした。出店場所やお店の内容等を丁寧にヒアリングした結果も同様で、この方には法人化することをおすすめしました。
僕が言いたいのはこういうケースが意外と存在しているのにも関わらず、インターネットの記事で「まずは個人から」が広まりすぎていることなんです。
では個人事業主のままでは飲食店は開業できないのか?
こういう話をすると、
え?じゃあ個人事業主のままで飲食店開業することや、融資を受けることは厳しいのか…。
と、思われるかもしれません。勘違いしていただきたくないのですが、個人事業主のままでも飲食店開業はできますし、融資だって借りれます。僕の元にご相談いただき希望通り満額審査が通ったお客様が多数います。ですから、個人のままでは開業できないわけではありません。
こと融資を借りるという視点でお話すると、個人法人どっちが有利とかまったくないです。何より大事なのは計画性です。
飲食店は身近な存在なので、開業することへの心理的なハードルを低く感じてらっしゃる方が多いように感じます。
挑戦する人を僕は応援し、力になりたいと思う一方で、熱意のみであまりにも無計画すぎると正直融資はもちろんこの先も厳しいのではないか?と感じていることもあります。
飲食店を開業することは起業することと同じです。いや、店舗を借りて食品の在庫を抱える以上業種によっては起業よりハードルが高いと感じています。
ですから、個人事業主か?法人か?というような形体がどうであるかという問題よりも計画性があるか?リスクを背負う覚悟はあるか?必要なのはそういう気持ちの問題ではないかと感じています。
飲食店の開業について、画一的な情報にご注意ください!!
〜でないと、飲食店開業はできない。
〜でないと融資は借りられない。
そういう画一的な情報にご注意ください。僕がこの記事で一番お伝えしたいことです。
インターネットの税理士記事でよくあるのが、「飲食店 開業 個人事業」という言葉で検索してもらい「まずは個人から」という方向に話を展開し、創業融資をおすすめするというパターンです。もちろん僕もそれをおすすめする場合が多々あります。
ただ一方で先ほどお話した通り、明らかに最初から法人にした方がいいケースもしばしばあるのです。ですから僕が言いたいことは、画一的な情報を声高に発信している記事にご注意くださいということです。
僕のブログにも、何かしらのキーワードで起こししただき何か答えを求めていらっしゃった方が多いと思います。お読みいただいていることに感謝しています。
ただ創業融資もそうですし、会社設立もそう。答えは必ずしも一つではありません。いろんな事例が存在し、それをヒアリングしてアドバイスさせていただく、税金や経営のアドバイザー役が僕だと考えています。
ですから例えば、
じゃあ何円からなら法人がいいの?
というざっくりした質問をされても、
利益が年間500万円くらいですかね~。
という目安しか答えようがありません。でもこれって本当にただの目安であって、「あて」にはならないです。聞いて来られる方の大半がこれからの開業なので現状の売り上げが0ベースでのお話ですし、お店の出店場所によっても違うし、その人の家族構成によってもお答えする内容は変わります。
ざっくりした回答はできますが、そこでお答えした回答って精度が低いのであまりお役には立てないと僕は感じています。
飲食店開業にかける想いをじっくりお聞かせください
飲食店を開業するなら個人事業のままでいいのか?法人がいいのか?についてお話しました。個人事業主のままで大丈夫だ、という税理士さんの記事が圧倒的に多いように感じますが僕が言いたいのは「必ずしもそうでもない!」ということ。
ですから、結論としてどっちがいいとはっきりお伝えできないことを申し訳なく思いますが、それは仕方がないのです。起業される方誰1人として同じ事例はなく、お話をしっかり伺わないと精度の高い回答はいたしかねます。
僕は、経営や資金面で不安のある起業家の方に確実にお役に立ちたいと思っています。ぜひあなたの創業にかけるお話をお聞かせください。
ちなみに僕のもとにご相談いただくお客様には、最初から会社にした方がいい事例が比較的多く、弊所には、そういうお客様に融資のご相談に対してアドバイスさせてもらった知見が多数あります。
創業融資の無料相談サービスもやっておりますので、気になった方は気軽にご連絡くださいね。
大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社
二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事
特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力
ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感
日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導