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【顧問税理士選びのコツその5】その税理士は資金調達に強いですか?

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)
経営者から年間100件以上の相談を受けている税理士。
中小企業を応援することが大好きで「100年続くように会社の経営をサポートすること」を使命としている。夢は日本中の中小企業を「お金が貯まる会社」にすること。
代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

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税理士選びをする際のポイントとして、記事を書いています。
今回は「資金調達に強いか?」ということについてお話をします。

 

税理士=日々の帳簿、決算書を作る人

この解釈は間違いではありませんが、これが全てではありません。帳簿や決算書も、会社にとっては大事です。これに加えて税理士が資金調達に強いと、直接的にあなたの会社の経営をよりよくすることに繋がるので、僕は重要視しています。

 

「資金調達」は、本来税理士の仕事ではない!?

 

資金調達の話をする前に、確認しておきたい話があります。
税理士の仕事を大まかに言うと、下記の3つになります。

 

[aside type=”boader”]
  1. 税務代理・・・税務署に対する申告の代理、代行。税務調査の立会い。
  2. 税務書類の作成・・・税務署に申告する書類の作成。一般的に馴染みの深い確定申告も、これに含まれます。
  3. 税務相談・・・上記の税務代理、税務書類の作成に伴う相談に応じること。
[/aside]

 

ですから、「資金調達」というのは、税理士にとって必ずしもしないといけない業務ではないです。

資金調達に無関心な税理士さんが多いのは、ある意味仕方のないことです。資金調達に熱心でないからといって、税理士として職務をサボっているわけでもなんでもありませんからね。

 

こうやって見ると、税理士の仕事はどちらかといえば待ちの姿勢で提案もあまりしない、というか、しづらいのも確かです。

 

 

とはいえ、経営者が税務署への書類を作成、提出を代行する人=税理士という認識を持ったままでは、もったいないと考えます。

 

会社を経営すればわかることですが、資金繰りってものすごい重要なことなんです。資金繰りに強い税理士もいますのでせっかく税理士を選ぶのであれば、日々の帳簿や代行業務だけでなく、資金繰りを手伝ってもらうということもポイントの1つにするといいでしょう。

その資金繰りにおいて重要なのが資金調達です。

 

「資金調達に強い税理士」だと、こういうことをやってもらえます。

 

その1.融資に繋がる決算書をデザインできる。

 

資金調達は社長と社員で対応するので、税理士は関係ない。そう思われるかもしれません。
ただ税理士に資金調達に強い視点があるということは、融資の調達の相談に乗ってもらえるだけではありません。決算書も融資を意識したものにデザインしてもらえる、というメリットがあります。

 

 

 

実は「対税務署への決算書」と、「対融資をする金融機関への決算書」は性質が全く違うんです。
税務署へ決算書を提出するのであれば、当然ですが売り上げは少なく、支払う税金が少しでも少ない方がええんですわ。これに対して、融資を受けるのであれば会社の売り上げがあまりに少ない、というのはやはりマイナスの要素になりうるわけなんです。

 

税金対策のためにある程度の税金を抑えながら、融資対策のために「この会社はちゃんとしている」ということを見せたい、これが理想なわけですね。

この決算書の微調整、例えるなら決算書に「お化粧」するようなもので、このさじ加減が重要やと思ってます。あ、もちろんが粉飾決算などは言語道断でありえへんことやと思います。

 

 

 

税務署のことしか意識していない税理士さんであれば、儲けを少なくみせることのみに注力するでしょう。でも融資を受けたいのであれば、会社が成長していってるなということを、決算書から感じてもらわなければいけません。
そこそこ儲けていて、着実に成長していて、当然粉飾やポケットマネーもなしで、全て辻褄があわせながら決算書をデザインするのは意外と難しいことです。そして残念ながら、全ての税理士がそうしてくれるわけではありません。

 

つまり、会社の成長をアピールしつつ、税金を払いすぎない決算書をデザインできる=資金調達に強い税理士の強みです。

 

 

その2.金融機関の融資担当者との繋がりがあるので、融資を受けやすい。

 

 

税理士が金融機関の担当者と繋がりが深い、というのも融資を確実にするためには大事なポイントなんやで。

 

 

手前味噌で恐縮ですが、弊社は例えば日本政策金融公庫や地銀の融資担当者様と日頃からお付き合いがあります。僕が融資計画書を監修して、僕のお付き合いのある融資担当者の方から審査を受けるというのは、何も後ろ盾や計画がない状態で一人で臨むのとでは全然意味が違います。当然融資の通過率も大きく変わります。

 

 

言い方はよくないんですけど、融資担当者は融資する相手のことをある程度疑ってかかります。でもそれは仕方がないことなんです。貸したお金を返してくれない人に、融資はできないわけですから。それを見定めるためには、ある程度疑う視線も必要になるっちゅうわけです。
だからこそ、僕のところであらかじめ融資計画書のサポートをさせてもらっていて、その状態で融資に臨むと融資担当者の方はむしろ味方になってくれる、ということになります。

 

 

 

無計画な返済計画は申し訳ないけど、僕が見る時点でお断りさせてもらっています。そういう保証を保つことができるので、税理士の監修を受けた融資計画書は価値があるんです。
おかげさまで自己資金がさほどなかったのにも関わらず、返済(経営)計画書をしっかりとしたものに仕上げたところ融資を受けられた事例もあります。

 

 

その3.日々の資金繰りについて、細かくケアしてくれる。

 

前述したように税務署へ提出する決算書、税務調査の時に見られる可能性のある帳簿。税理士はこれらの作成の代行、手続きのサポート、相談をする仕事です。それと資金繰りとは全く性質の違う業務です。

 

 

資金繰りは通常、企業の経理担当者が行い、経営者や上層部などで決めることの多いもの。もちろんそれでも全然ええんですが、そうすると、どうしても専門家の目線が抜け落ちてしまうわけなんです。

特に一人社長やこれから起業される方であれば、本業の経営に加えて日々の資金繰り管理まで行うのは無理な話。こういう時に資金調達に強い税理士だと、日々の資金繰りについても事細かにアドバイスしてくれて、必要に応じて融資を提案してもらえる

 

 

格安顧問契約だと、資金調達まで見てもらうのは難しい。

 

多くの会社が、税理士と顧問契約を交わしていると思います。顧問契約の金額は安ければ安い方が嬉しいものですよね。僕だって1消費者であればサービスの値段は安い方がよい。それは同じ気持ちです。

例えば顧問契約で比較的リーズナブルな値段であれば、月2万円というサービスももちろんあるでしょう。それはそれで良いのですが、月2万円だと帳簿のチェックを事務員さんにしてもらうのが、内容的に限界でしょう。

 

さっき書いたような、会社の成長をアピールしつつ、税金も支払いすぎないというような決算書の調整までを請け負うのは、無理のある金額なんやと思います

リーズナブルな顧問契約ももちろんありなんですけど、そうすると節税はできても、資金調達に弱くなるという側面があることを知っておいていただきたいなぁ、と日々思うんです。

 

 

税理士は税金のプロですから、節税は得意なのです。ただ融資受けするような融資担当者の視点を持つというのは、ある程度の会社経験や金融機関の融資担当者との繋がりがないと難しいでしょう。

つまり資金調達に強い税理士は、意外と多くないのが現状です。

 

まとめ

 

資金調達に強い税理士とは、

 

  • 節税しつつ成長していることをアピールできる決算書をデザインできる
  • 金融機関の融資担当者との繋がりがある
  • 日々の資金繰りについて細かくケアしてくれる

 

こういう強みを持っている税理士だと思ってます。

 

 

今の時代は公庫(日本政策金融公庫)さんだけじゃなく、地銀も(貸せる相手には)お金を貸したがっています。

ビジネスのスタートアップ時にある程度資金がいるのは当然のこと。融資を上手に活用できたら、思い切った新しい事業や投資ができます。そしてこれらの挑戦はあなたの会社を成長させる源となるはずです。その第一歩であるのが融資なのです。
同じ依頼するのであれば、資金調達に強い税理士を選んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所代表税理士

同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社

二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力

ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感

日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導

大山俊郎のプロフィール

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