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【創業時の借入】起業家が新創業融資を確実に受けるための創業計画書の書き方とは?その4:「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の書き方

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)

光熱費や人件費高騰による大幅なコストアップ・・・
しかし、中小企業の多くはコストアップを販売価格に反映できず苦しんでいます。「薄利多売」の時代は終わり、中小企業でも「値上げ」が必須の時代になりました。
この時代を勝ち抜くために、弊所独自の「強み集中」利益最大化経営計画を通して中小企業の支援を行っています。

代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

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>「創業計画書」については 「起業家がお金を借りるにはたった一つの計画書が大事なんです!」もご参考ください。

>「新創業融資制度」については「会社設立直後の創業期でも楽な経営ができる、融資を受けるための条件」もご参考ください。

●「創業計画書の書き方」関連記事●

「1 創業の動機」の書き方

「2 経営者の略歴等」の書き方

「3 取扱商品、サービス」の書き方

「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の書き方(今回の記事です)

「7 必要な資金と調達方法」の書き方

「8 事業の見通し」の書き方

これまでのお話し

独立して「イチローコンサルティング株式会社」を設立したイチロー君。融資を受けたくても創業間もない会社なので一般の金融機関では借入れができずに悩んでいました。

そんなとき、新しく創業する人、創業して税務申告を2期終えていない人を対象に、担保も保証人も必要なくお金を貸してくれるとてもありがたい制度「新創業融資」があることを税理士 大山俊郎から教えてもらいます。

また融資を引き出すためには「創業計画書」の書き方が審査に大きく影響することも教わります。「見本をまねして書いたらたらいいや」と甘く考えていたイチロー君は、税理士 大山俊郎と一緒に融資を確実に引き出すための「創業計画書」を書くことになりました。

●登場人物

イチロー君

イチロー君のプロフィール: 35歳経営コンサルタント。妻と3歳になる子どもがいる。「イチローコンサルティング株式会社」という会社を設立したばかり!

大山俊郎

大山のプロフィール: 大阪で会社設立&経営者のためのサポートをする税理士。中小企業の社長のために、そして、社長とともに生きる!

仕事の話、税の説明モードになると熱が入りこのような

スーパー税理マンTOSHIROに変身する。

詳しいプロフィールはこちら。 

 

大山

では今回は創業計画の書き方「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の3項目にとりかかりましょう。

「4 取扱先・取引条件等」では

  • これから開業する事業が、創業計画書にそって利益をあげられそうか?
  • 継続的に事業を続けられそうか?
  • 資金繰りはうまくいきそうか?

という点を判断されます。その点をアピールしていきましょう。

うーん。資金繰りは一番、頭が痛いところですね(汗)

大山

わかりました!ではこれからしっかりでは「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の書き方について説明していきますね。

 

説明しよう!!!!!

税理士 大山俊郎は説明モードになるとついつい熱が入りすぎてしまうために「スーパー税理マンTOSHIRO」にモードチェンジするのである!!!!!

わ~い!待ってました~(拍手)よろしくお願いしま~す。

 

「4 取引先・取引条件等」の書き方について

 

販売先の書き方

ではまず販売先の書き方についてご説明しますね。ここには今の時点で決まっている販売先の会社名と掛取引の割合・回収、支払いの条件を書きます。

イチロー君はいま、決まっている販売先はありますか?

今のところはっきりしているのはこの2社ですね。後は契約書を交わすだけです。先方の社長が気に入ってくれてるみたいでとんとん拍子に話がすすみました。

 

信頼関係のある取引先があることは強みになりますね。ここに書ける取引先がゼロだったら、融資のハードルがぐっとあがりますからね。

あ、契約書を交わしたらコピーを添付しておきましょう。

あともう少し取引先があった方がいいですね。これからの新規顧客の開拓などは、何か計画されてますか?

 

ええ、今現在、あちこち営業中です。紹介してもらって、これから営業にいく会社もありますし、何社かいい返事がもらえそうなところもあるんですよ。

 

イチロー君の営業力はすばらしいですね!営業の進捗状況なども資料として別紙にまとめて提出しましょう。顧客リストをどのぐらい持っているかは、売り上げを予測する大切な指標になりますからね。

あとは回収・支払いの条件ですね。

回収・支払いの条件を聞かれるのは「運転資金がどの程度必要になるか?」公庫側がだいたいのところを知りたいからなんですね。

支払いは掛け払いで遅く、入金は現金で早めに回収が資金繰りの基本ですね。このあたりは、次に書いていく仕入先・外注先・人件費と合わせて健全な財務体制ができるということをアピールしていきましょう。

>資金繰りについて詳しくは資金繰りと東洋医学は似ている!その心は…も参考にしてください。

販売先の書き方
  1. 販売先の会社名、所在地・シェアを記入します。
  2. 全体に占めるシェアが高いものから順番に記入していきます。
  3. 掛取引の割合、回収・支払の条件を記入しましょう。
  4. 契約書や注文書があれば、一緒に提出しましょう。

販売先の書き方 補足説明

● 取引先が法人の場合

具体的な会社名、所在地等を記入します。契約書や注文書などがあれば添付します。

● 取引先が特定の販売先がない一般ユーザーが販売の対象である場合

「一般顧客」とか「一般個人」書きます。

また売上目標が達成できる根拠として次の項目をまとめておきましょう。

  • ターゲット層 (主婦層、サラリーマン、〇才向けなど)
  • 店舗を出店する場合は立地条件(人通り、交通量の多さ、アクセスなど)
  • 客単価や回転率など

※その他補足事項

・現時点で取引先が確定していない場合は潜在的取引先を記入します。

・別添の資料として顧客リスト営業の進捗状況なども別紙にまとめて提出しましょう。(注意 顧客リストを添付する場合は、個人情報に注意をしてください)

・すでにかわした契約書・注文書などがあれば添付してください。

仕入先、外注先の書き方

つぎに仕入先、外注先ですね。商品や材料を誰から仕入れるのか(仕入先)誰に制作を依頼するのか(外注先)シェアの多い会社から順に記入します。また、掛取引の割合・回収、支払いの条件も記入します。

イチロー君は仕入先・外注先は決まっていますか?

仕入先や外注先はこの業者にたのもうと思っているのですよ。大手だし、品質面では安心してまかせられます。

それはいいですね。大手など知名度の信頼度の高い企業が入っていると審査が有利になるときがありますよ。

一発屋で終わらずに事業を継続させるためには信頼の積み重ねが必要ですよね。高い品質、安定したサービスを提供し続けられる体制はちゃんとできている。その点を仕入先、外注先の欄でアピールしましょう。

はい!わかりました!

支払先・外注先の書き方
  1. 仕入先 外注先があれば会社名、所在地、シェアを記入します。
  2. 全体に占めるシェアが高いものから順番に記入していきます。
  3. 掛取引の割合、回収・支払の条件」を記入しましょう。
  4. 契約書や注文書があれば、一緒に提出しましょう。

人件費の支払いの書き方

人を雇う場合は給与、ボーナスなどの支払いサイクルを記入します。

1、お給料の締め日、支払い日(例 月末締 翌月10日払いなど)

2、ボーナスの支給月(例 7月 12月など)

「5 従業員」の書き方

ここは雇う人数(予定)が決まっていたら記入していきましょう。また家族が従業員になっている場合は、カッコ内に記入します。

「6 お借入の状況」

ここでは創業者の個人的な借入状況を記入します。

住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードのローンなど個人で借り入れをしているものはすべて記入します。

借入申込書の裏面にも記載されていますが、公庫は個人信用情報機関で借入状況を確認することがあります。

あとで虚偽がばれると、融資を受けることが難しくなります。包み隠さず事実を記入しましょう。

お疲れ様でした!「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」はこれで終了です!

次回は「7 必要な資金と調達方法」の書き方についてご説明しますね。ここはちょっと大変ですが、審査にとても重要なポイントです。しっかり準備しましょう。

(数字苦手なんだよな~汗でも大山さんがいたら大丈夫!)またよろしくお願いします。

まとめ

「4 取引先・取引条件等」では、仕入れから販売の流れをみせることで、これから開業する事業の資金繰りは大丈夫か?創業計画書に沿って継続的に利益をあげられそうか?いう点を判断されます。その点をアピールできるように作成していきましょう。

「5 従業員等」は従業員を雇う場合人数を書きます。「6 お借入れの状況」に関しては創業者の個人の借入状況をそのまま記入しましょう。

次回の記事では「7  必要な資金と調達方法」の書き方についてご説明をしますね。

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    大山 俊郎

    大山俊郎税理士事務所代表税理士

    同志社大学商学部卒業後
    父が経営する年商50億の会社へ入社

    二代目経営者として
    現場での下積みから
    会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

    特に
    ・銀行との交渉
    ・経理の改善
    ・資金繰り
    ・事業承継の対策
    などに尽力

    ある親族との同族問題で自社の株式
    を売却をした経験から
    「会社のヒト・モノ・カネの管理は
    会社と経営者一族の運命を左右する」
    ことを痛感

    日本随一の
    「同族会社経営を経験した税理士」
    として事務所を開設し
    「会社にお金を残す節税マニュアル」
    を開発
    全国の同族会社の経営者・法人経営者
    向けに「会社を強くする仕組み作り」
    を指導

    大山俊郎のプロフィール

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