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【創業時の借入】起業家が新創業融資を確実に受けるための創業計画書の書き方とは?その3:「3 取扱商品・サービス」の書き方

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)

光熱費や人件費高騰による大幅なコストアップ・・・
しかし、中小企業の多くはコストアップを販売価格に反映できず苦しんでいます。「薄利多売」の時代は終わり、中小企業でも「値上げ」が必須の時代になりました。
この時代を勝ち抜くために、弊所独自の「強み集中」利益最大化経営計画を通して中小企業の支援を行っています。

代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

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>「創業計画書」については 「起業家がお金を借りるにはたった一つの計画書が大事なんです!」もご参考ください。

>「新創業融資制度」については「会社設立直後の創業期でも楽な経営ができる、融資を受けるための条件」もご参考ください。

大山

では今回は「創業計画の書き方・3 取扱商品、サービス」にとりかかりましょう!

ここでのポイントを一言でいえばこれから取扱う商品・サービスが「売れる!」ということを印象づけることです。そのビジネスがうまくいくかどうかというのは、商品力が大きいですからね。創業融資では、実績が無い起業家さん向けの融資なのでここは重要です。

はい!よろしくお願いしま~す。

●「創業計画書の書き方」関連記事●

「1 創業の動機」の書き方

「2 経営者の略歴等」の書き方

「3 取扱商品、サービス」の書き方(今回の記事です)

「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の書き方

「7 必要な資金と調達方法」の書き方

「8 事業の見通し」の書き方

 

これまでのお話し

独立して「イチローコンサルティング株式会社」を設立したイチロー君。融資を受けたくても創業間もない会社なので一般の金融機関では借入れができずに悩んでいました。

そんなとき、新しく創業する人、創業して税務申告を2期終えていない人を対象に、担保も保証人も必要なくお金を貸してくれるとてもありがたい制度「新創業融資」があることを税理士 大山俊郎から教えてもらいます。

また融資を引き出すためには「創業計画書」の書き方が審査に大きく影響することも教わります。「見本をまねして書いたらたらいいや」と甘く考えていたイチロー君は、税理士 大山俊郎と一緒に融資を確実に引き出すための「創業計画書」を書くことになりました。

●登場人物

イチロー君

イチロー君のプロフィール: 35歳経営コンサルタント。妻と3歳になる子どもがいる。「イチローコンサルティング株式会社」という会社を設立したばかり!

大山俊郎

大山のプロフィール: 大阪で会社設立&経営者のためのサポートをする税理士。中小企業の社長のために、そして、社長とともに生きる!

仕事の話、税の説明モードになると熱が入りこのような

スーパー税理マンTOSHIROに変身する。

詳しいプロフィールはこちら。 

審査を通るために「3 取扱商品、サービス」でアピールするポイントとは?

大山

イチロー君はどんな商品・サービスを取り扱う予定ですか?

そうですね。じつは自分で考えたオリジナルのコンサルティングがあるんですよ。試してみたらいい結果がでたので、そのコンサルティングコースで勝負したいなと思っます。

 

大山

あ、それはいいですね!独自の商品・サービスは、強みになりますよね。外注先などは決まっていますか?

はい。●△会社です。仕事のクオリティが高い仕事をしてくれます。

 

大山

●△会社なら大手だし信用も高い会社ですね。そこもしっかりアピールしましょう!

これから起業されるときに、そのビジネスがうまくいくかどうかは、結局のところ「商品力」です。どんなに広告や営業をかけても、商品に魅力ないと売れませんからね。

創業融資を受けるためには、ここが必ずポイントになります。

いまは、ちょっとネットで調べたらいろんな会社や商品を比較できますからね。年々お客さんの商品を見る目も厳しくなってきてますわ~。

大山

そうですよね。ではこれから数ある同業他社の中から「なぜ、イチロー君が取り扱う商品・サービス」が選ばれて、利益があげられるのかをまとめていきましょう!

ということで「3 取扱い商品・サービス」の書き方について説明します!

説明しよう!!!!!

税理士 大山俊郎は説明モードになるとついつい熱が入りすぎてしまうために「スーパー税理マンTOSHIRO」にモードチェンジするのである!!!!!

たのもしい~!今回もよろしくお願いします。

「3 取扱商品、サービス」で審査に通るためにアピールするべきポイントはこれから取り扱う商品・サービスが「売れる!」という点です。

  • どんな価値を提供するサービスなのか?
  • 独自性や優位性は何か?
  • なぜ売り上げが見込めるのか?

などを中心にわかりやすく書いていきましょう。

取扱い商品・サービスの強み・セールスポイントのまとめかた

「3 取扱商品、サービス」を書くための準備として、取り扱う商品・サービスの強み・セールスポイントを一度棚卸してみましょう。

強み・セールスポイントのみつけ方

市場には同業他社や、同じようなジャンルの商品があふれています。その中から、あなたの商品・サービスが選ばれる理由を考えてみてください。

まず次の3点を中心にあなたが取り扱う商品・サービスの強み・セールスポイントを明確にしていきましょう。

  • WHO  商品を販売する対象となる主なターゲット層
  • WHAT  ターゲット層にどんなベネフィット(利益・利点)を与えられるのか?
  • HOW  どうやってそのベネフィット(利益・利点)を受けることができるのか?
  1. ターゲット層を絞りましょう。
  2. ターゲットとする顧客層が求めているニーズは何か?を明確にしましょう。
  3. そのニーズに対して他社には真似できない、あなたの商品・サービスだけが提供できるベネフィットは何か?(WHAT)をできるだけたくさんリストアップしましょう。
  4. どんな風に(HOW)お客様がそのベネフィットを受け取ることができるのか?
  5. なぜそのベネフィットを与えることができるのか?根拠になる理由をまとめましょう。具体的に説明するために図や写真を用意するのもいいでしょう。

取り扱う商品・サービスの価値を棚卸する

さらに次の4つの価値について具体的にまとめてみましょう。

1、商品自体の持つ価値

取り扱う商品・サービス自体が持つ価値です。お客様が持つ悩みをどんな風に解消でき、理想の状態へと橋渡しができるのか?次の3点を中心にビフォア・アフターをまとめてみましょう。

  • どんなことに不便を感じているのか⇒不便を解消できる点
  • どんなことに不安を感じているのか⇒不安を解消できる点
  • どんなことを不快にかんじているのか⇒不快にかんじている点

2、付加価値

商品自体が持つ価値ではありませんが、その商品に付随する価値はないかを考えてみましょう。また、イメージやパッケージなども商品の価値に直接関係がなくても、無意識的に選ばれる基準になることがあります。

3、時間価値

忙しいお客様にとって、時間が節約できる、24時間対応してもらえるなど、時間的なメリットがあることは大きな価値になります。また商品購入後のアフターサービスが充実していることも時間的な価値になります。あなたの商品・サービスを利用することで、お客様の大切な時間をどのように充実させられるかを考えてみましょう。

4、安全価値

安全性はお客様が商品、サービスに求める価値基準の一つです。一時、産地偽装の問題や耐震構造の偽装問題などがニュースをにぎわせましたが、やはりその商品が本当に安心して利用できるものなのかどうかは、お客様が気にされるところでしょう。あなたの商品・サービスが安全で安心して利用できること理由を明確にしておきましょう。

5、ブランド価値

同じバックでもエルメスのバックに高い値段で売れるのはエルメスというブランドが持つステータスやイメージといったブランド力があるからです。ブランド力を築くのは時間がかかりますが、ブランド価値ができると、あなたの会社の信頼度がアップし、利益獲得に大きく貢献してくれるでしょう。

あなたが取り扱う商品・サービスの棚卸はできましたか?ではここまで書き出した手元資料をもとに創業計画書を記入していきましょう。

「3 取扱商品・サービス」の書き方について

(上部)取扱い商品サービスの内容の書き方

  1. 商品・サービスの名前
  2. 商品・サービスの内容
  3. 商品・サービスの値段

売上シェアが高いものから順に上位3つを書いていきましょう。(これから起業するときは予測で書きましょう)

1、商品・サービスの名前

ところでイチロー君、提供するサービスの名前って考えますか?

えーっと。(実は考えてないのだな。テキトーでいいや)いまのところコンサルティング松とコンサルティング竹、コンサルティング梅です。

・・・・。(なんじゃそりゃ?)

え~っと。その名前だと、ちょっと商品内容が分かりづらいですね(^^;

松と竹と梅の違いもよくわかりませんし…。

いちおう、コンサルティングの内容とかが違うのですが(冷汗)

できればもう少しわかりやすい方がいいですね。名前を聞いたら商品のイメージがわいて「それ欲しい!」と感じさせるようなネーミングが理想です。

確かに、松、竹、梅じゃ、弁当みたいですよね(苦笑)

伝え方は大切です。ちなみに同じ商品でも液体石鹸をシャワージェルって変えただけで売り上げが変わったという話もあるぐらいですからね。

さきほどまとめたコンセプトを元に、名前を聞いただけで、サービスの内容やそれを使ったときのいいイメージが広がっていく、そんなネーミングを考えてみてくださいね。

2、商品・サービスの内容

次は商品の内容ですね。先ほどリストアップした「価値」を中心にまとめていきましょう。

あと大切ポイントがあります。審査に通るためには、イチロー君の業界のことを全く知らない人が見ても「この商品は良さそうだな。売れそうだな」って印象づけることなんです。

前に嫁さんに「これがうちの一押し商品なんだ!」って自慢したのに「どこがどうすごいの?」「その言葉の意味わかんない。」と言われてがっくりしたことがありました。

いい奥さんですね!業界以外の人の意見はとても大切ですよ。ずっと業界の中にいると、一般のユーザー目線ってわかりづらくなりますからね。創業融資を審査する人も、イチロー君の分野に関しては素人ですからね。

素人の人が聞いてもイメージできるような説明が理想です。

また視覚的に説明するのも効果的です。別紙を添付して、写真をつけたり、図や表など詳しい資料を添付しましょう。

3、商品・サービスの値段

あとは価格ですね。ここは具体的にイチロー君がこの商品を売ってどのぐらい売り上げを見込めるか?をアピールする場所になります。

価格設定は悩みの種ですね。最初はサービスで安くしないと売れないかなとおもったり、かと言って利益もださないといけないし…。

確かに!価格を決めるのは難しい課題ですよね。ただ安売り競争に巻き込まれると、結局利益を確保できなくなりますからね。コストダウンなどの合理化を図るのも大切ですし。

でもやはり「イチロー君の会社ならこの値段でもたのみたい!」そんな高い利益率が見込める商品・サービスを考えましょう!

参考)価格の決め方

1、コストを上積みして決める

商品の仕入れや販売にかかるコストを積み上げていき、利益をのせて価格を決める方法です。ただしこの方法では自社の利益は確保できても、競合他社との価格競争に負けやすいというデメリットがあります。

2、同業他社との比較で決める

同じ業種や類似のサービスが市場でどのぐらいの価格帯で出回っているかを調べます。この方法だと価格競争に巻き込まれ、値段を下げないといけなくなることが多くなります。コストダウンなどの合理化を図るとともに、価格競争に巻き込まれない自社の独自性を出す方法はないかを考えてみましょう。

3、お客様のコストに着目するもし自分なら自分の会社の商品をこの値段で買うだろうか?というユーザー目線で金額を予想して価格を考えてみましょう。

(参考「創業融資と補助金を引き出す本(ソーテック社))

(下部)セールスポイントの書き方

では「取扱商品・サービス(下部)セールスポイント」を書いていきましょう。

先ほどまとめた商品・価値の棚卸しをもとに

  • 同業他社に比べて優位なところ
  • 自社だからこそできる独自性
  • 仕入れや販売などの独自のルートやノウハウ など

これから取扱う商品・サービスが「売れる理由」を書きましょう。

お疲れ様でした。「3 取扱商品、サービス」ははこれで終了です!

次回は「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の書き方についてについてご説明しますね。

ここは資金繰りなどを審査されるポイントです。取引先や仕入先が決まっていたらその資料をご用意くださいね。

 

ありがとうございました。また次回よろしくお願いしま~す!

まとめ

「3 取扱商品、サービス」は、一言でいえばあなたの商品・サービスが「売れる」ということをアピールする欄です。

顧客のニーズをしっかりつかんだうえで、あなたの商品・サービスがどんな価値をあたえられるのか?あなたの会社だからこそ与えられるという具体的な根拠を分かりやすくアピールしていきましょう。

次回の記事では「4 取扱先・取引条件等」「5 従業員等」「6 お借入れの状況」の書き方についてご説明をしますね。

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    大山 俊郎

    大山俊郎税理士事務所代表税理士

    同志社大学商学部卒業後
    父が経営する年商50億の会社へ入社

    二代目経営者として
    現場での下積みから
    会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

    特に
    ・銀行との交渉
    ・経理の改善
    ・資金繰り
    ・事業承継の対策
    などに尽力

    ある親族との同族問題で自社の株式
    を売却をした経験から
    「会社のヒト・モノ・カネの管理は
    会社と経営者一族の運命を左右する」
    ことを痛感

    日本随一の
    「同族会社経営を経験した税理士」
    として事務所を開設し
    「会社にお金を残す節税マニュアル」
    を開発
    全国の同族会社の経営者・法人経営者
    向けに「会社を強くする仕組み作り」
    を指導

    大山俊郎のプロフィール

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