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創業融資の面談で聞かれる事と模範回答を公開!【NGワードは?】

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創業融資の面談では、何を聞かれるの?

創業融資の面談のイメージが分からなくて悩んでいませんか?

金融機関に訪問した当日、うまく対応できるか不安を感じてしまいますよね。

結論としては、創業融資の面談では「創業計画書」という書類の各項目に沿って質問されます。面談までに提出した創業計画書の内容に矛盾なく答えることができれば面談は成功します

つまり以下の質問内容に答える練習をすれば面談対策ができ、手応えのある面談になるということです。

創業融資の面談の質問内容
  1. 創業の動機
  2. 事業経験と創業者が持つ強み
  3. 商品・サービスの内容
  4. 取引先や販売先
  5. 従業員
  6. 自己資金の作り方
  7. 借り入れや支払い状況
  8. 事業の見通し


実は私が創業融資を受けようとする人から日々相談を受ける中でも、何の対策もせず自分で面談に臨む人が多く、もっと早く相談してほしかったと感じることが多いです。上記の質問内容それぞれの項目には意図があるため、意図を汲みながら回答する準備をすれば、自信を持って面談に臨めるようになるはずです。

また面談では、回答内容だけでなく申請者(創業融資を受けるあなた)の人間性も見られるため、注意が必要です。

好印象を持ってもらえるような面談を目指すようにしましょう。


そこでこの記事では、創業融資の面談に向けた準備ができる内容をまとめました。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

 

この記事を最後まで読むことで創業融資の面談に必要な準備を整えることができるようになります。

なお、創業融資ってどんな融資なのか、まず知りたい!という方は「創業融資ってどんな融資?開業資金を賢く調達する方法【税理士が解説】」で紹介しているので、ぜひご覧ください。

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1.創業融資の面談で聞かれる質問と回答

質問と回答

 

創業融資の面談では以下の項目について質問されます。

創業融資の面談の質問内容
  • 創業の動機
  • 事業経験と創業者が持つ強み
  • 商品・サービスの内容
  • 取引先や販売先
  • 従業員
  • 自己資金の作り方
  • 借り入れや支払い状況
  • 事業の見通し


事業に対する基本的な質問がメインとなるため、きちんと(論理的に)説明ができる創業計画を立てていれば特に問題ありません。

そこでここからは回答のポイントについて上記の項目別で解説します。

1-1.創業の動機

創業の動機は計画書の『1 創業の動機』に記載された内容をもとに質問が行われます。
▼創業計画書『1 創業の動機』の欄

創業の動機

参考)日本政策金融公庫『創業計画書

具体的には以下のような質問で問われます。

 

「創業を通して社会にどのような影響を与えたいですか?」
「なぜこの地で創業する必要があるか聞かせてください」
「創業する目的について教えてください」

 

創業の動機を確認する意図は、申請者の人柄や創業に対する熱意を確認するところにあります。
単に自分に利益があるという目的だけでなく社会や地域にとって有益な事業であることをアピールすると評価は高まるでしょう。
注意点としては、長々とした説明は好まれないので、簡潔かつ誠意が伝わるように創業の動機を説明するようにしてください。

※創業の動機については、まず書類を提出した段階でしっかり見られますので書き方にも気を付けてください。

創業の動機の回答例

 

「マーケティング会社に就職し、あらゆる業種のマーケティングを支援するうちに、飲食業界の集客に課題があることを知りました。

飲食業界が抱える課題をクリアできるサービスを展開することで自分の生まれ育ったこの地域に貢献できると思い、これまでの経験と人脈を生かして飲食店に特化したマーケティングサービスを展開することにしました。」

 

 

創業の動機はとても重要な質問項目です。あなたの言葉でしっかりと語りましょう。
模範回答のような答え方も可能なのですが、一番のポイントは融資担当者に「信じてもらえるか」です。
創業の動機を自分で考えられない起業家もいます。

ですが、あなたのビジネスが成功するかどうかに関わる重要な質問です。
あなたの言葉でしっかりと回答できるように入念に準備をしておきましょう。

1-2.事業経験と創業者が持つ強み

事業経験と創業者が持つ強みは創業計画書の『2 経営者の略歴等』に記載された内容に基づいて質問が行われます。
▼創業計画書『2 経営者の略歴等』の欄

経営者の略歴等

参考)日本政策金融公庫『創業計画書
例えば以下のような質問で問われます。

「経歴や職歴を通して持っている強みは何ですか?」
「取得している資格がどのように事業に生かされるのか教えてください」

この質問には、「計画している事業を行える経験やノウハウの有無」を確認する意図があります。

これまでの経験が事業の強みになることを伝えると、計画している事業がいかに現実的であるかをイメージさせることができるでしょう。
ただし、証明できるものがなければ“自称”程度に捉えられてしまうこともあります。

経験や強みが事実であることが客観的に示せるもの(例えば資格証明書や書面、写真等)も一緒に提示しながら説明して経験や強みをアピールすることがポイントです。

 

 

回答内容に信憑性を持たせるために証拠と共に回答してください。

事業経験と創業者が持つ強みの回答例

 

「調理専門学校を卒業後、調理師免許を獲得し、地元の〇〇に厨房スタッフとして入社して5年勤務しました。その後、都内のレストラン〇〇に転職し、3年間の厨房スタッフとして働いた後、副料理長を2年務め、今日まで料理長として働いています。

調理師免許と調理経験を生かしながら見た目にも味にも美味しく、安心して食事を楽しんでいただけるスキルを身につけました。また、副料理長の時から利益率を考慮しながら見合った原価の食材で季節のメニューを考案し、お客様の来店数を予想しながら適切な人件費になるよう毎月のシフト作成も担当しています。

人材育成にも力を入れており、飲食業界従来の厳しいやり方で覚えさせるのではなく、調理を通して社会や街の人と関わっていくことの楽しさを教えるよう心がけています。

よく「会社は人」と言われるように、お客様や取引先だけでなく、一緒に働く従業員も大切にして人材力に強みを持ちながら事業を軌道に乗せていきたいと思っています。」

 

1-3.商品・サービスの内容

商品・サービスの内容についての質問は『3 取扱商品・サービス』の欄に記載された内容をもとに行われます。
▼創業計画書

商品・サービスの内容

参考)日本政策金融公庫『創業計画書
具体的には以下のような内容が問われます。

「取り扱う商品・サービスはどのようなものですか?」
「セールスポイントや競合他社との違いはどこにありますか?」

申請者がどのような事業を始めるのかを確認するための質問です。

審査を担当する人はその事業に精通している人ではないため、専門的な用語で伝えても理解はしてもらえないでしょう。

理解ができない事業に対して融資をする決断はできないため、その業界に理解がない人でも分かるように説明することをこの質問では心がけましょう

言葉だけでは説明できない場合、表やグラフィックを活用した資料や現物(メニュー表や販売する商品等)を用意すると、より理解を深める説明になるはずです。

商品・サービスの内容の回答例

 

「世界各地のコーヒー豆を厳選して取り寄せ、焙煎からこだわって淹れるコーヒーや軽食、スイーツを提供します。焙煎方法や挽き方は顧客の好みやスイーツに合わせて調整し、高い満足度でリピーターを獲得していきます。

セールスポイントはオーストラリアでバリスタ修行を積んだ私が淹れるコーヒーを毎日でも飲める手頃な価格で提供することです。店側が決めた「本日のコーヒー」を提供するのではなく、常に10種類以上の豆を用意し、お客様とのコミュニケーションからその日の気分や求める味に合ったコーヒーを淹れます。

軽食やスイーツは〇〇ホテルのレストランで働いていた経験を持つ妻が担当します。持ち帰りにも対応するので、忙しいタイミングやお出かけ前のお客様にも提供が可能です。

店内はゆったりと飲食を楽しめるようアンティーク調の家具で統一し、若者世代から子連れ、シニア世代に至るまで幅広い年代がホッとくつろげる空間でお迎えします。」

 

1-4.取引先や販売先について

取引先や販売先についての質問は『4 取引先・取引関係等』に基づいて行われます。
▼創業計画書『4 取引先・取引関係等』の欄』

取引先や販売先について

参考)日本政策金融公庫『創業計画書

たとえば以下のような質問です。

「仕入れ先や販売先について詳しく教えてください」

仕入れ先が選定されているか、顧客を獲得しやすい事業や場所なのかなどを聞いて事業の実現性を確認する意図があります。

よって、「仕入れ先はこれから決めます」「個人経営しているサロンに販売する予定です」など仕入れ先や販売先が漠然としている場合は実現性がないと判断されてしまいます。

仕入れ先や販売先が決まっていなくても進捗状況を伝えることで実現性を与えることはできるため、なるべく具体的に言及するようにしましょう。

また、すでに仕入れ先や販売先が決まっている場合は、取引先がどのような会社なのかの情報も答えられるようにするとより信頼性を高めることができます。

仮に取引先の会社に問題がある場合は審査で不利になるので、取引が合法であることをアピールするとよいです。

仕入れ先や販売先についての回答例

 

「前職から付き合いのある〇〇商事、〇〇会社とは契約を結んでいます。これまでの関係性を汲んでいただき、安く販売してもらえる手配も整っているため原価をおさえることが可能です。さらに、現在交渉中の仕入れ先が3社あります。

30~50代の美容意識の高い女性をターゲットにしており、すでに私が発信しているSNSでは累計10万人のフォロワーを獲得しています。SNSからECサイトや実店舗に流れる導線を作ることで集客が見込めます。」

 

1-5.従業員について

従業員についての質問は『5 従業員』の欄に記載された内容に基づいて行われます。
▼創業計画書『5 従業員』の欄

従業員について

参考)日本政策金融公庫『創業計画書
具体的には以下のような質問です。

「常勤する人数は何人ですか?」
「予定する総従業員は?」
「なぜ〇人で設定したのですか?」

従業員を確認する意図は事業の規模に見合った人員をそろえているのかを確認するところにあります。

従業員が多すぎると人件費がかかりすぎてしまい、逆に従業員数が少ない場合は人手不足に陥る懸念があります。

人件費は資金繰りに大きく影響するため、計画している従業員数の妥当性を伝える説明をできるようにしておきましょう。

もしも人員が確保できていない場合は、これからどのようにして人員を確保するのかを具体的に説明するようにしてください。

従業員についての回答例

 

「店内は7席の規模で、カウンターで会計や商品を提供するスタイルのため、妻と2名体制で十分回せます。

もしも人員が必要になった際は現在大学生と高校生の子どもたちが手伝ってくれる話にもなっており、状況によってはアルバイトを募って雇うことも検討しています。」

 

1-6. 借り入れや支払い状況

借り入れ状況や支払い状況は創業計画書の『6 お借入の状況』に記載された内容に基づいて問われます。
▼創業計画書

借り入れや支払い状況

参考)日本政策金融公庫『創業計画書
具体的には以下のような質問です。

「住宅ローンや自動車ローンなどの残高はいくらですか?」
「他の銀行や消費者金融の借り入れはありますか?」
「過去に返済が滞ってしまったことはありますか?」

現在の借り入れ状況を認識しているのかを確認し、創業融資の返済についても計画的に考えているのかを確認したい意図があります。

また、信頼できる人間性であるかを確認する意図もあります。

というのも、日本政策金融公庫は「個人信用情報機関」という機関を通して申請者の借り入れ状況を確認します。質問しなくても申請者の金融に関する履歴が分かるというわけです。

そのため、虚偽の内容で申告しているかどうかというのも分かるため、人間性を確認できる項目でもあるのです。

よって、現在の借り入れ状況や、過去に起こした金融事故については正直に答えるようにしてください。

支払いをしっかりしていることを伝えれば、他に借り入れを行っていてもマイナス要因になることはありません。他にも借り入れがある場合は借り入れの必要性を説明できるようにしておきましょう。

借り入れ状況や支払い状況についての回答例

 

「住宅ローンが残り2,000万円と、〇〇銀行のカードローンが50万円あります。カードローンは店舗契約のときに借り入れをしました。これまで滞納したことはなく毎月返済を行っています。」

 

 

Tips!

返済状況を確認できる預金記録や領収書の原本を見せると信頼性アップ
言葉で「滞納したことはない」と言っても信頼性には欠けてしまいます。
返済を行っていることを証明できる預金記録や領収書の原本を提示しながら回答することで理解をスムーズに得られるでしょう。
持参が求められていなくても準備して行くことをおすすめします。

1-7. 自己資金の作り方

自己資金の作り方は創業計画書の『7 必要な資金と調達方法』の欄をもとにして問われます。
▼創業計画書

自己資金の作り方

参考)日本政策金融公庫『創業計画書
例えば以下のような質問で問われます。

「自己資金はどのようにして作りましたか?」
「自己資金をどのように貯めたのかが分かるものはありますか?」

自己資金は必要とする資金のどれくらいの割合なのか、本当に事業のためのお金であるのかを確認する意図があります。
お金は言葉だけでは信憑性の有無を確認できないため、自己資金の証拠となるものを用意して説明するようにしましょう。

 

自己資金として認められる可能性のある証拠資料

例えば、以下のような書類は自己資金として認められるため有効です。

  • 退職金:源泉徴収票や入金の詳細が記載された書類
  • 親族からの贈与:贈与契約書
  • 現金による給与:給与明細 など

証明となる書類を準備できない場合、見せ金として捉えられたり、自己資金として認められなかったりする場合があります。経緯をはっきり説明して起業に向けた計画性や熱意を伝えるようにしましょう。

1-8.事業の見通しについて

事業の見通しについては創業計画書の『8 事業の見通し』に記載された内容に沿った質問がされます。
▼創業計画書

事業の見通し

参考)日本政策金融公庫『創業計画書
例えば以下のような質問で問われます。

「売上高や原価、経費の根拠はなんですか?」
「創業時と軌道に乗ったときの利益はそれぞれどのように想定していますか?」

この質問では現実的で堅実な事業計画であるかを確認する意図があります。

日本政策金融公庫は事業に対する詳しい見解がなくても、多くの融資実績と照合して現実的な数字なのかを確認するため、現実的とは思えない数字が記載されている場合は追及が行われるでしょう。

この質問では前職での実績を提示し、算出に応用した計算式を用いて説明するなどして売上の根拠を伝えるすることがポイントです。

業界の市場動向や成長率などが予測されたデータがある場合は、それらのエビデンスも提示することで審査担当者もスムーズに理解することができるでしょう。

事業の見通しについての回答例

 

「創業時の売上の構成は客単価4,000円×施術数1日10名×26日営業として売上を〇〇万円と算出しました。

客単価と施術数は前職の実績の半分であると見積もっていますが、市場ニーズも近年は右肩上がりになっていることが分かっているため、軌道に乗れば利益は〇〇万円になると想定しています。」

 

 

Tips!【業種別】売上高の根拠を表す計算式
売上高を示す際、業種ごとに活用できる計算式は以下のとおりです。
売上高の説明時の参考にしてください。

飲食業、理容・美容業などのサービス業の場合
<算式>客単価×席数×回転数×営業日数
自動車販売業、建設業、清掃業など集約型の業種
<算式>従業員1人あたりの売上×従業員数
製造業、印刷業、運送業など設備が売上につながる業種の場合
<算式>設備の生産能力×設備数
コンビニエンスストアやスーパーなど店舗で販売している業種の場合
<算式>1㎡(1坪)あたりの売上高×売り場面積

参考)日本政策金融公庫『売上高等の算出方法

 

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2. 創業融資の面談当日までの流れ

面談当日が心配な女性
落ち着いた心持ちで面談当日を迎えるためにも創業融資の面談の流れを知っておきましょう。

面談の予約から当日までの流れについて解説します。

2-1. 創業融資申込時に面談の予約を入れる

創業融資では必ず面談が行われるため、融資の申込時には面談の予約を入れる流れになります。

その際には面談する場所についても指定があるため、その場所で面談できる日時で予約を入れるようにしてください。

面談の場所は通常、日本政策金融公庫の支店のカウンターや応接室で行われますが、申請者の事業所が面談場所として指定されることもあることを心得ておきましょう。

 

Tips!創業融資の申込方法とは?
創業融資の申込みは以下2つのパターンがあります。
①支店に出向いて申込みをする
②郵送で書類を送って申込みをする
支店に書類を郵送して申込みをすることも可能ですが、直接支店に足を運んでおくことで雰囲気を知ることができたり、相談したいことを聞くこともできたりします。
面談に向けた心の準備にもなるため、面談が不安は場合は直接支店に出向いて申込みを行うことをおすすめします。

 

2-2. 当日持参する必要書類を準備する

面談では当日持参を求められる書類があるので、忘れずに持参できるように準備をしておきましょう。

持参が求められる書類の確認は創業融資の申込み後1~2週間ほどで届く郵送物で確認できます

創業融資の面談当日の必要書類は例えば以下のものです。

▼創業融資当日に持参が必要な書類

本人確認書類
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書 など
通帳 自己資金額を証明できる通帳原本
※ネットバンクなど通帳がない場合は確認できるPCやスマホなどでも可
源泉徴収票 ※まだ創業していなくて会社員として働いている場合
許認可証 ※許認可を必要としている事業の場合
許認可が必要な事業と受付窓口は以下のとおりです
【保健所】
・飲食業・菓子製造業・食肉販売業・魚介類販売業・理容美容業・旅館業・クリーニング業・医薬品の販売業 など
【警察署】
・マージャン店・古物商・警備業・指定自動車教習所 など
【都道府県庁およびその官庁】
・酒類販売業・各種学校・旅行業・宅地建物取引業・建設業・運送業・人材派遣業・自動車整備業・ガソリンスタンド など
資金繰り表 計画した事業の見通しを根拠立てられる書類

他にも以下の書類を求められるケースがあります。

  • 確定申告書
  • 資格証明書
  • 借入の返済予定表
  • 固定資産税課税証明書
  • 公共料金の領収書
  • 不動産の賃貸借契約書 など

申請者の状況や事業内容によって持参が求められる書類は異なるので、不足がないようよく確認し、面談当日までに準備をしておきましょう。

もしも申込みから2週間以上経過しても郵送物が届かない場合は申込みをした日本政策金融公庫の支店へ確認を取ってください。

 

Tips!商品・サービスの持参もおすすめ
持参が求められていなくても、商品やサービス内容が分かるものがある場合は持参することをおすすめします。
実際に販売する商品や提供するサービス内容が視覚的に分かることで審査担当者も事業に対するイメージがしやすくなるからです。
例えば以下のようなものがあります。

飲食店や美容サロン:メニュー表、店内の様子(間取りや写真、インテリアなど)
アプリの販売:アプリの動作が確認できるスマホやPC
アパレルの販売:販売する服や小物、店内のイメージ など

実物がない場合でも、参考になる写真や図を用意すると理解をスムーズに得られる面談になるはずです。

 

2-3. 面談場所にて面談を行う

面談当日は予約時に決めた面談場所にて審査担当者と面談を行います。
面談時間は30~1時間程度です。
面談では人格や人間性も審査対象になるため、服装や身だしなみ、言葉遣いはマナーをおさえるように心がけて行きましょう。

  当日の面談で心がけるポイント
服装 清潔感のあるスーツ、オフィスカジュアル
忠実に答える 提出した創業計画書と矛盾したことを言ったり、金融状況を偽ったりすると信頼を失います。
的確・簡潔に答える 質問内容とは関係ない話をしたり、長々と余計な話をしたりしないようにしてください。
感情的にならない 面談ではつっこんだ内容を問われることもあります。感情的になるような質問をされても冷静に答えるようにしてください。
事業に対する熱量を持つ 事業に対する熱意は好感を持たれる要因になります。審査するのは機械ではなく人なので、「この人・事業に融資したい」と思ってもらえるような熱意は有利に働きます。

2-4. 面談から2週間前後で審査結果が届く

審査結果は面談から2週間前後で連絡がきます。審査結果が届いてからの流れは以下のとおりです。

①担当者から電話にて審査結果が伝えられる
②借用証書が同封された書類が届く

ただし、審査に2週間以上の時間を要するケースもあります。例えば以下のようなケースがあります。

  • 提出書類に不備があった場合
  • 現地の調査が必要だと判断された場合
  • 過去に事例のない新規事業を行う場合
  • 大型連休(GWや年末年始など)が重なる場合

融資が否決となった場合も必ず連絡は来るため、3週間以上経過しても連絡がない場合は問い合わせをしてみてください。

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3. 創業融資の面談での禁句とは?

やってはいけない
創業融資の面談では信頼を下げてしまう要因につながるワードと状況があります。

創業融資の面談で絶対に言ってはいけないワードと状況
  • 「いくらなら融資が可能ですか?」
  • 「この事業に問題はありません」
  • 「別の人に聞かないと分かりません」
  • 専門家を同席させる
  • 代理人に面談をさせる

これらの言動や状況が信頼を損ねてしまう理由について詳しく解説します。

3-1. 「いくらなら融資が可能ですか?」

「いくらなら融資が可能ですか?」という発言は面談で禁句です。

融資を検討する側からすると「使途が決まってないお金を求めている」という印象を受けてしまうからです。

日本政策金融公庫は不明瞭な使途の融資は行いません。使途が明確ではないと返済計画にも矛盾が生じ、返済が不可能であると判断できるからです。

希望する融資額の資金使途を明確にし、返済の財源があることを明らかにしてから面談に臨むようにしてください。返済ができるという根拠を持つことが大切です。

3-2. 「この事業に問題はありません」

「この事業に問題はありません」という言い切った発言も面談ではNGワードです。

なぜなら、リスク管理能力や問題点を見出す能力に欠けているという印象を与えるからです。

そもそもどのような事業にも問題が生じる可能性はあります。生じる可能性のある問題点に着目し、対策案を見いだせる経営者の方が返済能力が高いと捉えられるでしょう。

事業の弱点や想定できる脅威などのリスクについても理解し、どのように対応して安定した利益を実現するのかを説明できる準備をしておくと安心感を与えられるはずです。

3-3. 「別の人に聞かないと分かりません」

「別の人に聞かないと分かりません」という回答も面談では言わないようにしてください。

主体性がないうえに無責任な印象を与え、経営者としての覚悟がないと判断されるからです。
創業計画書を専門家などと共に作成した場合でも、事業内容や資金計画は申請者自身がしっかりと理解を深め、面談では論理立てて答えられるようにしておきましょう。

もしも答えられない質問内容の場合は面談後に回答する許可を得て、電話などで回答するなどの対応をするとよいです。

誠実な態度で審査担当者の不明点を取り除くようにしてください。

3-4. 専門家を同席させるのはNG

面談に専門家を同席させることは信用を下げる要因になります。

面談は事業を行う本人から回答を得ることで経営者として素質や人柄、人間性を確認する時間でもあるからです。

専門家の確認を得てから回答したり、回答を専門家に頼ったりする姿は日本政策金融公庫側から見ると信頼性に欠けてしまいます。

専門家と共同で計画を練り上げた場合でも、事業計画に自信を持って自ら説明する姿勢を持ちましょう。

 

Tips ! パートナーの同席が認められる場合もある

共同経営でパートナーがいる事業を行う場合は同席を認める場合もあります。
ただし、認められるのはパートナーにしか説明できない専門的な内容があり、審査担当者が同席を認めた場合のみです。
基本的に面談は申請者1人で行うことが原則なので、パートナーの同席を検討している場合は融資の申込みをした支店に問い合わせをしてみてください。

 

※上記の理由から基本的に専門家が同席することはできないのですが、大山俊郎税理士事務所では「同席したほうが良い」または「同席しても信用を下げることはない」と判断し、金融機関担当者の許可が出た場合は金融機関との面談に極力同席するようにしています。

3-5. 代理人に面談をさせる

代理人に面談をさせることもNGな状況です。
代理人が面談を行うことはそもそも日本政策金融公庫が認めていませんし、本人であると偽って他の人に面談を受けさせれば融資が否決される十分な理由になります。
創業融資は申請者本人と直接面談することを審査の必須条件としているからです。
よって、急な病気や怪我など面談に行けないような状況になっても申請者本人が面談を行うことが求められます。
もし、やむを得ない事情ができた場合は以下のような方法で面談が行われることもあります。

  • 電話
  • オンライン
  • 面談日時の変更

どのような状況であっても申請者本人による面談が必須であるため、面談に向けた準備を整えておきましょう。

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4. 創業融資の面談に関するよくある質問

よくある質問
創業融資の面談に関するよくある質問とその回答をご紹介します。

4-1.休日も面談できますか?

面談は日本政策金融公庫の営業時間内に行うことが一般的です。
日本政策金融公庫の支店の営業時間は平日9時~17時となっているため、休日は面談が行われません
営業時間内で面談の時間を確保するようにしましょう。もしも営業時間内が難しい場合は相談してみてください。

4-2.オンラインで面談できますか?

対面が難しい状況であると審査担当者も納得できる場合はオンライン面談を受け付けることもあります。
ただし、そもそもオンライン面談に対応していない支店があったり、対面した面談が必要と判断されたりすることもあるため、必ずしもオンライン面談の要求が通るわけではありません。
対面できない事情がある場合は支店に相談してみてください。

4-3. 面談せずに融資を受けられることもありますか?

日本政策金融公庫の場合、面談なしで融資を受けられることはありません。
実際、コロナ禍の影響で外出自粛が呼びかけられた緊急事態宣言中でもオンラインや電話などで面談は行われていました。
創業融資では面談を必須条件にしているため、必ず面談は行われると心得ておいてください。

4-4. 審査が通らなかった場合また申請はできますか?

再申請に関する規定はないため、申請したら受け付けてくれます。

ただし、否決になった理由をクリアできていなければ再申請しても融資が通ることはないでしょう。
日本政策金融公庫側もしっかり精査したうえで融資の可否を決定しているためです。
再申請を検討しているのであれば、前回の審査で否決になった要因をクリアしてから申請するようにしてください。

例えば以下のような改善があった場合に再申請してみるとよいでしょう。

  • 親族から贈与があり自己資金の割合が増えた
  • 信用情報が回復した
  • 事業計画を根拠づけるエビデンス情報が見つかった など

 

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5. 審査が通る創業計画は専門家への相談がおすすめ

専門家
面談に専門家を同席させることはできませんが、専門家と創業計画を立てることはとても有効な方法です。

創業融資の面談は『創業計画書』をもとにして行われるものであり、いかに創業計画書の内容に妥当性があるかが重要になるからです。

つまり、面談の準備は事業計画を立てることから始まると言っても過言ではありません。

専門家と共に創業計画を立てると面談でどのようなメリットがあるか解説します。

 

5-1. 融資の妥当性を高める『創業計画書』をもとに受け答えできる

専門家に相談すると高い妥当性のある創業計画書が作成できます。

資金調達をサポートする専門家は日本政策金融公庫が納得する資料作成やアドバイスができるプロだからです。

しっかりと事業計画の内容を論理的に説明する書類を提出できるようになるため、日本政策金融公庫も理解がしやすく、スムーズな面談が実現しやすいです。

また、専門家に相談すると面談でどのように受け答えすればよいのかも助言がもらえるため、自信を持って面談に臨めるようになるでしょう。

5-2. 日本政策金融公庫も納得できる資金繰り計画を立案できる

日本政策金融公庫が納得できる資金繰り計画を立案できるのも、専門家に相談するメリットです。

というのも、日本政策金融公庫の創業融資は使途が明確で返済計画が立てられる事業に融資を行います。

不明瞭なお金を融資することはないため、資金使途をはっきり表すことが創業融資を受けるポイントになるのです。

専門家は事業の資金繰りについて高い知識を有しているため、結果として日本政策金融公庫も融資をすることが妥当だと感じる資金繰り計画を立てることができるでしょう。

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「効率的に準備を進めたい」
「創業融資の審査に難なく通過したい」
大山俊郎税理士事務所では“日本政策金融公庫目線”で書類作成のポイントをアドバイスします。融資の妥当性を高めるので創業融資の懸念点を解消することが可能です。
さらに、借り入れ条件が適切であるかもしっかりチェックします。無理のない資金調達を実現し、基盤のしっかりした資金計画をサポートするから安心して事業を始められるようになるはずです。
事業計画に悩みがある場合はぜひご相談ください。
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6.まとめ

公庫などでの創業融資の面談(面接)は『創業計画書』に沿って行われるので、記載した内容を網羅的に説明できる準備を整えておきましょう。

また、面談当日には必ず持参が求められる必要書類もあるため、不足がないように準備しておくことも大切です。必要書類が足りないことで審査に落ちてしまうことも実際にあります。

公庫などでの面談に不安があるなら多くの中小企業様の資金調達をサポートしてきた実績のある大山俊郎税理士事務所へご相談ください。

資料作成はもちろん、面談の対策もサポートします。一緒に事業の実現化を目指していきましょう。

大阪で創業融資を受けるなら、地元大阪の大山俊郎税理士事務所がサポートします!

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大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所代表税理士

同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社

二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力

ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感

日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導

大山俊郎のプロフィール

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