【一覧】動物病院開業までの手順を税理士が解説【必要書類チェックリスト付き】
動物病院を開業する準備はできていますか?
- どんな書類をどこに提出するのか
- 書類作成の際に気をつけることは何か
- 他にも必要な手順はないか
動物病院を開業しようと思ってネット検索したあなたは考えているところかもしれません。
新たに自分の病院を持ちたい勤務医の方が開業を考えていることと思います。
この記事では、動物病院の開業に必要な書類を国から入手する方法や、それらの書類を準備する際の留意点を含め、動物病院の開業プロセスをまとめて説明します。
では、動物病院の開業について詳しく見ていきましょう。
1.計画を立てましょう
動物病院を開設するための最初のステップは、明確な計画と体制を構築することです。
計画とは何かと言うと、動物病院の場合主に次の3つです。
- マーケティング
- 医療サービス
- マネジメント
マーケティング
「ペットを飼っている人の中で、さらに自分の病院(自院)に来院する可能性がある人」が住んでいる地域を称して、マーケットと呼びます。
このマーケットに対して自院の情報を発信します。飼い主が欲しいサービスを提供します。
そして開業したい診療所のタイプ、追求したい活動、提供したいサービスのレベル、さらには立地、予定している施設のサイズを決めることもマーケティングに含まれます。
医療サービス
動物病院の経営において、医療サービスの質を担保することは非常に重要です。
これは、動物の治療を受けるために信頼性の高い医療サービスを提供することで、患者(動物)の健康を最大限に保護するためです。
また、高品質の医療サービスを提供することで、病院の信頼性を高め、顧客満足度を向上させることができます。これにより、病院は長期的に成功を収めることができるでしょう。
マネジメント
動物病院においては、人が基本であり重要な要素です。
動物医療サービスが商品であり、スタッフの能力や特に人柄に大きく左右されます。
以上のように明確な計画を立てたら、次のステップである書類提出に進みます。
2.必要書類の提出
次のステップは、動物病院開業に必要な書類の提出です。
動物病院の開業には、税務署はもちろん、自治体や獣医師会などの関係機関に書類を提出する必要があります。
これらの文書は、事業者登録、機械などの設置計画、建物や内装工事の計画などの要素があります。
税務署
- 開業届
- 給与支払事務所の届出
- 青色申告承認申請書など
※個人事業主として開業する場合
都道府県税事務所
- 事業開始等の届出書など
市町村への提出書類
- 飼育動物診療施設開設届など
雇用保険関係
- 雇用保険適用事業所設置届(ハローワーク)
- 雇用保険被保険者資格取得届出(ハローワーク)
- 労働保険関係成立届出書(労働基準監督署)
- 概算保険料申告書(労働基準監督署等)
家畜保健衛生所
- 診療施設開設届
- エックス線装置設置届など
3.必要な許認可を取得する
申請書が承認されたら、必要な許認可を取得する必要があります。
あなたが開いている練習の特定の種類のために必要な他の許可や承認と同様に、関連する統治体からライセンスを取得することが含まれる場合があります。
このプロセスはいくつかの時間がかかることがありますので、それはプロセスがスムーズに実行されることを保証するために、できるだけ早く順番にこれらの文書を取得することをお勧めします。
4.必要な施設・設備の調達
必要な書類が揃ったら、動物病院を運営するために必要な施設や設備の調達に移ります。
施設の構造やデザインから、必要な医療機器や消耗品まで、あらゆるものが含まれます。また、ITや通信のインフラもこの時期に検討します。
機械の購入を考えるにあたって、自己資金だけで購入することだけでなく、リースやローンも視野に入れておきましょう。
自己資金だけで考えてしまうと、付加価値の高い医療サービスを最初からあきらめてしまう可能性が高くなってしまうからです。
病院の規模や複雑さによっては、この段階に時間がかかることもありますので、すべての準備が整っていることを確認することが重要です。
5.スタッフの採用
必要な設備やインフラが整ったら、次はスタッフの採用です。
これには、医療スタッフや事務員など、病院内の特定の役割を担う有能な人材を探すことが含まれます。さらに、請求書発行や保険などの事務作業を担当する管理部門の雇用も検討すべきです。採用や研修のプロセスを担当する人事担当者を設置することも必要かもしれません。
6.資金調達
開業にあたって、自己資金と借入金とのバランスもしっかりと考えておく必要があります。
不景気になると、銀行も融資をする際に厳しい審査をするようになります。その際には勤務医時代には考えたこともなかったこと、要素を審査されます。
例えば、しっかりとした収支の計画がないと融資が下りずに開業を断念せざるを得ないケースもあります。
開業すれば確実に儲かる、という保証は無い時代です。
そのことを銀行側も良く分かっています。
実績もない中で、銀行は融資を行うわけですからあなたの将来性だけが担保なのです。そのことを踏まえて、次の要素を整理しておきましょう。
- 自分自身の人としての長所
- 獣医師としての長所、得意な診療項目(整形外科に強いなど)
- 融資に値する人間であること
同一商圏内にいるライバルは、あなたよりも実績があります。でも、実績がないあなたでも、同一商圏内にいるライバルとは異なる特徴があれば動物病院を開業して成功する可能性が高いわけです。
だからこそ、資金調達の際には銀行に対してアピールする準備をしておきましょう。
7.法令の確認
次のステップは、あなたの病院がすべての関連法規を遵守していることを確認することです。
これには、すべての関連書類が最新であること、スタッフが適切な訓練を受け資格を有していること、施設がすべての安全および衛生基準を満たしていることを確認することが含まれます。
要求事項が不明な場合は、関連する運営組織に問い合わせて、遵守していることを確認する必要があります。
8.まとめ
動物病院を開業するまでのプロセスは、複雑で時間がかかるものです。
しかし、明確な計画を立て、必要な書類を準備し、適切な許可と承認を得て、適切な人材を配置すれば、このプロセスをよりスムーズに進めることができます。
以上のステップを踏むことで、動物病院が適切に開業でき、すべての法規制に準拠し、マーケットにいる飼い主さんとペットたちに専門医療サービスを提供する準備が整います。
電話でもお申し込みOK
06-6940-0807
【受付時間】10:00〜18:00(土日祝除く)
大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社
二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事
特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力
ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感
日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導