• 経理事務

人間ドックの受診料って会社の経費にできるの?【大阪谷町の税理士が解説】

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)
経営者から年間100件以上の相談を受けている税理士。
中小企業を応援することが大好きで「100年続くように会社の経営をサポートすること」を使命としている。夢は日本中の中小企業を「お金が貯まる会社」にすること。
代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【ご相談の内容】

私は設立1年目の会社の社長をしています。

近々、人間ドックを受けようと思うんですけど、これって会社の経費にできるんでしょうか?

【回答】

ひとことで言うと…

 

出来る場合と出来ない場合があります。

 

社長が人間ドックを受けられるのは会社のためにも、ご家族やご本人のためにも素晴らしいことですね。

当然、会社の経費にしたいと思います。

でも、やり方によっては、会社の経費にできない場合があるので、詳しくご説明させてもらいますね。

 

会社の経費にできるかどうかは、

 

「特定の人だけが人間ドックを受けられること」になっているかどうか

 

が大きなポイントになります。

 

特定の人だけが受診できる場合

 

まず、特定の人だけが人間ドックを受けられることになっている場合、例えば、社長だけが会社の経費で人間ドックを受けられる場合ですね。

この場合、人間ドックの費用を会社の経費にはできません。

さらに、人間ドックの費用を会社の負担で受信した場合、その分、社長だけが会社からメリットを受けたことになるので、賞与として社長に所得税が課せられてしまいます。

つまり、往復ビンタです…

会社の経費にできないし、社長の所得税は取られるわけです。

 

希望者全員が受診できる場合

 

役員と従業員のうち、希望者全員が人間ドックを受診出来て、その費用は全て会社が負担できることになっている場合です。この場合、人間ドックの費用を会社の経費にできます。

ただ、希望者全員とは言っても35歳以上のように、一律で制限を作ることは認められています。

 

ここで注意点です!

税務署が見ても、この制限が明確になっていないと結局人間ドックの費用が全額経費にならなくなり、しかも会社の経費で人間ドックを受けた人だけ所得税が課税される往復ビンタを喰らってしまいます。

 

具体例で説明します

ある会社は、社長が35歳、社員さんは全員32歳以下の若い会社です。

社長だけが会社の経費で人間ドックを受けられないか?と考えていたところ、顧問税理士からこんなアドバイスをもらいました。

 

「35歳以上の役員または社員だけが、会社の費用で人間ドックを受けられる」という社内規定を整備して、株主総会でその旨を決議して議事録を残しておけば35歳の社長だけが人間ドックを受けて、しかも会社の経費にできるよ。

 

つまり

  1. 社内規定を作る
  2. 株主総会議事録を作る

これで、この会社の社長は、会社の経費で人間ドックを受けることができたのでした。

 

まとめ

 

起業や会社を設立してしばらくすると、人間ドックを受ける経営者さんが多くいます。

人間ドックは、受けようと思った時が受け時だと思います。会社のためにも、社員さんのためにも、そしてご家族、ご自身のためにも受けようと思った時に受けてください。

弊所のお客様からもよくあるご質問なのですが、ご自身で色々調べるよりも、まずは専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。

支払い方や経費になるかをご自身で考えて迷うよりも、人間ドックをスムーズに申し込んでいただくためにこの記事を活用してください。

 

 

大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所代表税理士

同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社

二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力

ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感

日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導

大山俊郎のプロフィール

ブログ一覧に戻る