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【税理士が解説】freeeとMFクラウド、どちらが向いてるのか?

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)
経営者から年間100件以上の相談を受けている税理士。
中小企業を応援することが大好きで「100年続くように会社の経営をサポートすること」を使命としている。夢は日本中の中小企業を「お金が貯まる会社」にすること。
代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

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税理士の大山俊郎です。
よくお客様に聞かれる疑問に答えてみようと思います。

それは・・・

「freeeってええのん?」

「MFクラウドってええのん?」

「結局どっちがええのん?」

そう、おすすめの会計ソフトについてです。

 


正直圧倒的にこれがよくて、これがダメなんてものはありません。
だけどそれぞれのソフトに特徴はあるので、そこから考えれば向き不向きがあるのかもしれません。

 

というわけで、今回はクラウド会計の代表的な会計ソフトである「freee」と「MFクラウド」を徹底比較し、どういう人が向いているのかを分析します。

 

そもそもクラウド会計って何?

 

↑ イチロー君 35歳経営コンサルタント。
妻と3歳になる子どもがいる。
「イチローコンサルティング株式会社」という会社を設立したばかり!
大山に顧問税理士を依頼している。

「クラウド会計」って最近よく聞く言葉ですね。

 

そうでしょ?
まずは、その説明からですね。

少々お待ちくださいね。

説明しよう!!!!!

税理士 大山俊郎は説明モードになると、ついつい熱が入りすぎてしまうために
「スーパー税理マンTOSHIRO」にモードチェンジするのである!!!!!

 

 

 

オンラインネットワークのことを、雲に例えて「クラウド」と一般的によく言う。
クラウド会計っていうのは、会計データがネットワーク上に保存しているってことやねん。

これまでだったら会計用のパソコンを用意して、そこにソフトをインストールしてたよね?
データはそのパソコンでしか見ることはできない。

これに対してクラウド会計ソフトなら、IDとパスワードを共有してインターネットにつながる環境なら誰でもどこでもアクセスすることができる。

便利な世の中になったもんやなぁ。

 

 

なるほど、そういうことだったのですね。

じゃあ僕もクラウド会計にしようかな。

 

いいね!

ちなみにこの話について、もっと詳しくしたことがあるんやで。
僕が監修して外部のメディアに書かれているので、こちらもよろしく!

税理士を選ぶなら「クラウド会計に強いこと」を重視するべき2つの理由

 

クラウド会計の代表「freee」と「MFクラウド」どっちがいいの?

 

クラウド会計のメリットを感じたので、ぜひ導入しようと思います。
空いた時間は、日々の資金繰りの戦略を顧問税理士である大山さんと考えたいので!

 

嬉しいこと言ってくれるなぁ。
じゃあクラウド会計のソフトの具体的な説明をしよう。

クラウド会計ソフトで有名なのは、「freee」「MFクラウド」この2つやね。

この2つのソフトには、違いがあるから向き不向きがあると思う。
その辺を踏まえて説明するで〜。

 

「freee」はスタートアップ、個人事業主、自分で経理をする人向き

 

freeeってどんなソフト?

Freee(フリー)は、2013年にサービスを開始したクラウド会計ソフト。
これまで会計ソフト=パソコンにソフトをインストールするというやり方が主流でした。
ですから、freeeの登場は目新しく斬新でイアンパクトがありました。
MFクラウドのシェアが増えてきた今でも、freee=クラウド会計の代名詞になっている印象があります。

 

ちなみに名前は「ふりー」だけど決して無料ではないよ!
会計の煩わしさから解放したい、という意味での「フリー」らしい。

 

freeeの料金プランは?

複数のプランがあります。

個人事業主の場合
スターター  980円 /月(税抜)
スタンダード 1,980円 /月(税抜)
プレミアム 39,800円 /年 (税抜)

法人
ライト  1,980円 /月(税抜)
ビジネス 3,980円 /月(税抜)

※プランの内容によって使用できる機能が違います。

 

freeeのいいところ!

データを全自動で取り込み、仕訳(しわけ)を自動で行ってくれる・・・という機能はこの後に説明するMFクラウドも同じです。この記事はあくまでfreeeとMFクラウドの比較記事なので、そこに焦点を当てて説明します。

 

freeeのいいところ、これはもう決まってる。

ずばり、簿記知識がなくても青色申告ができちゃうところ。これにつきます。

 

へー、これは助かりますね!
だってー簿記って難しい印象です。
知らなくてもできるってありがたい。

 

そうやね。
特におすすめなのが、事業をスタートしたての人。個人事業主。
こういう人には向いていると言える。

つまり、自分で決算書を作る人。税理士にチェックしてもらわない人とも言える。

 

そうなんですね。
税理士さんに見てもらう場合、freeeはだめなんですか?

 

いやいや、全然だめやないよ。
僕の事務所でももちろん対応してる。

freeeの最大のメリットは、簿記知識なしでも使える仕様にある。
だけど後々税理士にチェックしてもらう予定があるなら、別にfreeeじゃなくてもいいやんね?
日々の入力はfreeeにしてもMFクラウドにしても、データを読み込めば全自動やし…

帳簿の入力はもちろん最終チェックも自分でするなら、簿記知識が不要なfreeeの方がよりメリットを活かしやすいという意味やで。

 

 

ああ、なるほど。
じゃあ税理士さんに見てもらう予定はないけど、一人で青色申告したい場合はfreeeの方がいいってわけですね。

 

そういうこと!

 

Freeeの弱点!?

 

「簿記知識が不要」ということ。

メリットの裏返しなんだけど、簿記知識がいらないということです。
簿記を知っている人からすれば、簿記の概念とは関係なく操作するのでやや使いづらい点があります。

 

僕も最初慣れるまで苦労しました。

 

サポート対応に時間がかかる。

 

これはあくまで僕が使ってみた印象です。

チャットサポートが主たるサポートになるのですが、ここに問い合わせした場合行ってくれるのは基本的に一次対応です。
根本的な解決連絡は、少し時間がかかるのかなぁという印象を持っています。

 

ちなみにfreeeは一部のプランを除いては電話サポートがない、基本的にはチャットサポートを利用するしかないみたいやね。

 

 

※ただ、freeeも進化しているようです。
2017年より簿記知識のある人でも操作しやすいように、仕様が変わってきました。
またサポートも当初はチャットのみでしたが、一部のプランで電話サポートが導入されました。

 

「MFクラウド」は法人、税理士にチェックを受ける人、簿記知識のある人におすすめ

 

MFクラウド(旧マネーフォワード)ってどんなソフト?

 

2014年にMFクラウドの元のサービスである、マネーフォワードがリリースされました。
だからfreeeの1年後に開始したということですね。

今ではMFクラウドの機能性の良さが受けており、シェアを急激に拡大しています。
ただやはりクラウド会計の先駆けという意味合いでは、まだまだfreeeに軍配が上がるかもしれません。

 

MFクラウドの料金プランは?

 

個人事業主
ベーシックプラン   800円 /月(税抜)
電話サポート付き 17,200円 /年(税抜)

 

法人
ライトプラン    1,980円/月(税別)
スタンダードプラン 2,980円/月(税別)

 

完全に同じ条件では比較できませんが、若干MFクラウドの方が安いです。
ただ料金体系は変わる場合があります。
「どちらも同じくらいだ」と思っておいてよいのかもしれませんね。

 

MFクラウドのいいところ!

 

簿記知識を持ったままで操作できる、かつシンプルなので使いやすい。
対freeeという視点になるのですが、簿記知識を持ったままでかつクラウド会計のメリットを受けられる。

 

あとこれは僕の主観やけど、MFクラウドは大きなトラブルが起こりにくい、データの取り込みエラーが起こりにくい印象があるよ。

 

MFクラウドの弱点?

 

これもfreeeの特徴の裏返しですが、簿記の知識が必要だということ。

 

これこれ。
僕まったく簿記はわからないんですよ。
だからMFクラウドで大丈夫なのか不安なんです。

 

うーん、でも日々の取引はfreeeにしてもMFクラウドにしても、データを読み込んで勝手に帳簿を作成してくれるよね?

 

そうですね。
ただそのデータの内容があってるかどうかは僕にはわからなくて。

 

イチローくんの場合法人だし、僕と顧問契約してくれているよね。
つまりあとで税理士のチェックを受けるなら、最初の入力はMFクラウドでも問題ないのでは?と思う。

 

なるほど、確かに。

 

freeeもMFクラウドも料金に関してはさほど変わらない。
だからこの「簿記知識の有無」ここをどう捉えるかで選べばいいと思うよ。

 

そうですね。
僕MFクラウドにしようかな〜。

 

 

 

まとめ

 

税理士視点でみたクラウド会計ソフトの代表格である「freee」「MFクラウド」の比較を行いました。

 

どちらでもいいと言えばいいです。
「簿記知識の」有無に関してはfreeeも機能をMFクラウドに近づけているので、今後両者の差はあまりなくなるのかもしれません。

そんな中であえて比較して、どう言う人が向いているかをまとめるとこうです。

freee
個人事業主や事業規模が比較的小さく、税理士にチェックを出さない、そして簿記を知らないのであれば絶対にfreeeが向いています。簿記を覚える時間を省けますから。

MFクラウド
一方で法人、事業規模を今後拡大する予定で顧問税理士を付ける場合、あるいは簿記を知っているならMFクラウドの方に軍配があがります。

 

それからこれはあくまで僕一個人の意見なのですが・・・。
税理士だからという立場ももちろんありますが、事業を拡大する予定があるのであれば、ぜひとも簡単な簿記を覚える機会は持っていただいてもいいのではないか?そう思います。

 

freeeの簿記知識不要というのは、オペレーションする人にとってはとても優しいと言えます。
だけど簿記を学ぶ機会を逸しているとも言えるわけです。
ですから自分にとって何を優先するかを考えた上で、会計ソフトを選ぶといいのではないか?

 

そんな風に思います。

 

 

大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所代表税理士

同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社

二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力

ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感

日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導

大山俊郎のプロフィール

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