「困った!貯金がないけど創業融資借りたい!」税理士として行った3つの秘策を解説します
大阪で税理士事務所を経営している大山です。
創業融資に力を入れているので、融資に関する実務経験談は数多くあります。今日はその中でも融資を借りたい人にとっては切実な悩み「貯金がない!」にスポットをあて、貯金なしでも融資がおりた事例をご紹介してみます。
この記事を読むことで、あなたは貯金がない(少ない)状態でも創業融資を受けることが可能になる仕組みが理解できます。
ある日突然経営者になったAさんの場合
弊所に来てくださった方の相談内容を元にした話をご紹介します。
Aさん
建設業の会社に勤務。勤務先の会社はオーナー一族が経営。しかしながらオーナー一族は会社経営から撤退するため、副社長であるAさんが会社の一部仕事を引き受ける形で独立することに。顧客はいるけど、新たに起業するので創業融資を受けたいとのこと。
これ、一見特になんの問題もなく融資受けられそうですよね?でもこの件には、ある大きな問題がありました。冒頭から書いていることです。
そう、Aさんには貯金がなかったんです。
原則、貯金は必要ですよ!
冒頭で貯金0でも創業融資を借りられたと書きましたが、原則はNGです。なぜなら、創業融資は起業してすぐの経営者が対象。過去の実績がないに等しいので、これからの売上予測とこれまでの準備の計画性を主に審査ではじっくり見ます。
ですから貯金が0ということは、起業に向けて準備ができていない、計画性がないと見なされるのです。よって融資審査にはかなり不利である。
これは原則であり、間違いないです。しかしながら、先ほどご紹介したAさんの事例は無事融資審査を通過しました。融資を受けられたのはAさんのこれまでの努力とこれからの可能性ゆえなのですが、僕が税理士としてやったことを書いてみます。
貯金0でも創業融資を借りることに成功するための3つの秘策
貯金0のAさんの融資審査を通過するために、僕大山は税理士として何をしたのか?
3つの秘策をありのままに書きますね。
その1 退職金を早めに出してもらうように交渉
なにはともあれ貯金0というのはよろしくないです。そこでAさんの状況についてヒアリングしました。するとAさんは独立する元の社長一族との関係が良好であるということがわかりました。
そこで、
大山の秘策その1
Aさんに社長に交渉してもらい退職金を早めに出してもらうように交渉してみてはどうですか?
とアドバイスしました。早速Aさんは社長と交渉し、結果早めに退職金を受け取ることができたので、まず貯金0の状態を回避することができました。
その2 計画性がなかったのは仕方がないことを審査で説明
創業融資を受けたいのであれば、本来貯金0であることは正直かなり厳しいです。
そこでその1で書いた通り、Aさんは退職金を早めに受け取るという形で貯金0からは回避しました。しかしながら、貯金がただあるだけというのも実は厳しいのです。
融資審査を通るために一時的に用意したお金は「見せ金」と判断されてしまうんです。
えええええ!!!
融資の審査官は「貯金の金額が多いこと」以上に「コツコツ以前から貯金してきたこと」を見ているのです。つまり計画性があるかどうか?です。
そう考えるとAさんのケースはまたしても状況的に厳しいのですが、融資審査の面談に同席した僕から審査官にこういう説明をしました。ちなみに弊所は「認定支援機関」といって、一定の条件を満たしている機関に選ばれております。融資審査も日本政策金融公庫まで出向く必要はなく、弊所で僕の同席ありで受けることができます。
秘策その2
Aさんは社長からある日突然依頼されて、会社の業務を一部引き継いで起業することが決まりました。独立のためにコツコツ貯金するという選択肢がなかったんです。とはいえ、起業後のビジョンはしっかりとあります。既存の顧客を社長公認のもと引き継ぐので売り上げ予測も立っています。
その3 資金繰り表を作成し、入金のタイミング予測から運転資金が足りないことを説明
資金繰り表とは、入金と支出を表管理することで会社の資金が不足することが内容に予測をすることです。創業融資の審査に資金繰り表の提出は義務付けられていません。ただ弊所では必ず作成させていただきます。
なぜなら、創業融資の審査でかなりの割合でチェックしているのは「売り上げ予測」です。つまりこの人にお金を貸したはいいが、きちんと返せるのか?返済できるくらいの売り上げ予測はあるのか?という心理なんです。貸した側からすれば自然なことですよね。
僕に求められているのは、お客様のビジネスは売り上げ見込みがあり、返済能力があることのお墨付きをすること。であれば資金繰り表を作成し、売り上げ予測を行うのは当然の流れです。今回のAさんのケースもヒアリングをもとに資金繰り表を作成していくうちに、ある事実に気がつきました。
Aさんの仕事は建設業で、工事を請け負い外注さんに工事現場へ行ってもらいます。その外注さんの給与は現金で支払いますが、請負先の会社からの入金はそれよりも約2ヶ月あとなのです。これでは「運転資金」が足らない状態だと判断しました。一方で、創業融資を借りる名目で多い「設備投資」ですが、Aさんの場合工事の請負なのでAさんの会社そのものが準備すべき設備はほとんどありません。ですから設備投資での申請は見送りました。
大山の秘策その3
僕が行ったことは、お客様の仕事の内容を細かくヒアリングし、何のお金が不足して何のお金は必要ないのか?を整理し明確にした上で面接にて審査官へ伝えたことなんです。
経理や会計によほど精通している人以外、自分の置かれている状況を客観視し、何が足りないと明快に説明できる人はなかなかいないのです。そりゃそうですよね、みなさん本業があってのことですから。僕のミッションは志のある起業家さんが資金的な不安を抱えることなく会社経営に専念してもらうことです。
この3つの秘策が功を奏してAさんは無事希望金額全額融資を受けることができました!
やったーーーー!ありがとうございます!!
まとめ
貯金0だと日本政策金融公庫の創業融資を借りることはかなり厳しいと言われています。とはいえ、100パーセント無理かと言えばそうではありません。
今回Aさんの事例で言えば、
- 本当に手元のお金が0なのか見直し
- そもそも日本政策金融公庫が見ているのは貯蓄額よりも計画性なので、なぜ計画的に物事が進まなかったのか?を分析し説明
- 何の費用がなぜ足りないのか?を的確に提示
僕がサポートに入ってこの3つを実施することで無事融資審査を通過しました。こういうこともあるんです。
もちろん魔法使いではないので、黒を白にするような違法なことには加担できませんが、お客様の状況を整理してわかりやすく説明したり可能性を探ることはできます。諦める前に一度ご相談ください。
無料相談はこちらまで。
追伸:
今回のAさんの場合に僕が行った3つの秘策。
実は秘策はあともう一つあったんです。
ただ個人情報の都合上ここに書くことはできませんが、気になる方はお問い合わせください。
電話でもお申し込みOK
06-6940-0807
【受付時間】10:00〜18:00(土日祝除く)
大山 俊郎
大山俊郎税理士事務所代表税理士
同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社
二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事
特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力
ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感
日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導