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【開業資金の目安】いくらぐらい用意しておけばいいの?実例で説明しています!

大山 俊郎
監修者 大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所 代表 大山俊郎(おおやま としろう)
経営者から年間100件以上の相談を受けている税理士。
中小企業を応援することが大好きで「100年続くように会社の経営をサポートすること」を使命としている。夢は日本中の中小企業を「お金が貯まる会社」にすること。
代表的な著書は「SWOT分析を活用した【根拠ある経営計画書】事例集」。

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「で、実際いくらぐらい開業資金を用意しておけばいいの?」

 

開業するには最低でも・何に?・いくらぐらいのお金が必要か?具体的な金額って、開業前に把握しずらいですよね?

とはいえ、開業資金の目安を計算しておかないと「どのぐらい自己資金を用意しておく必要があり、いくらぐらい借りないとだめなのか?」など開業資金に関する計画を立てることができません。

 

開業に必要な資金を考える場合、開業資金を4つの項目に分けて計算することで、開業に必要な資金の目安となる金額を算出しやすくなりますよ

 

今回は、開業資金の目安を計算する方法を実例でご説明していきますね。

 

開業資金の目安は開業後1年間に必要になる金額で考える

開業資金にいくらぐらい必要かの目安をだすときは「何にいくらぐらいの資金が必要になり、いつ資金が底をつく可能性があるのか?」少なくとも開業後1年間に必要な資金予測を立てて資金を準備します。

 

実際に事業を始めると、利益が思うように上がらなかったり、予想外に費用が必要となることもありえます。

 

そのリスクも見越したうえで、余裕を持った金額で次の3つの金額についておおよその目安を考えてみてください。

  1. 開業するために必要な資金の目安
  2. 開業資金のうち自己資金で用意できる金額の目安
  3. 不足している資金のうち調達できる金額の目安

 

1、開業するために必要な資金の目安を出すことで、2、自己資金と3、調達できる資金の目安も見当がつきますので、次章から1、開業するために必要な資金の計算の仕方について説明していきますね。

 

開業資金の目安は4つの項目に分けて計算する

開業するためにどのぐらいの資金を用意しておけばよいのか?おおよその目安となる金額を計算するためには、開業資金を次の4つの項目に分けて計算していきます。

 

  1. 開業準備資金
  2. つなぎの資金
  3. 赤字補填資金
  4. 自分の生活資金

 

では順番にそれぞれの資金の目安の計算のしかたについて説明していきます。

 

開業資金の目安の計算方法 その1 開業準備資金の計算の仕方

開業準備資金の目安を計算するときは、3つの項目に分けて必要となる資金を計算していきます。

 

1、設備資金の目安を計算する

設備資金とは、取得金額が10万円以上の資産や、2年以上長期間にわたり使う設備を購入するための資金です。

たとえば、パソコンや事務所の家具、営業用の車両など、事業を経営していく上で必要な設備の購入が設備資金にあたります。

 

必要な設備と金額をリストアップして、おおよその金額を算出してください。

設備資金は、まとまった資金が必要なのは開業時で、あとは一度購入すれば通常でしたら5年から10年以上使用することができます。

 

もし設備資金について創業計画書に書くときは、一度に費用として計上するのではなく、その資産を使用している間に少しずつ費用化していきます。

 

2、時間の経過が価値に影響を及ぼさない資産の目安を計算する

次に時間が経過しても価値が減らない資産に必要な資金の目安を計算します。

 

1、設備資金は、時間の経過とともに資産価値が減っていきますが、1、設備資金とは別に事務所や店舗を借りる際の保証金や、リース契約で借りている資産など2、時間の経過が価値に影響を及ぼさない資産の購入費用を計算します。

 

時間の経過が価値に影響を及ぼさない資産の購入費用は、創業計画書に書くときは費用として計算しないため、パソコンなどを購入する設備資金とは分けて計算しておく必要があります。

 

3、必要に応じて補充が必要になる資産の目安を計算する

たとえばブティックや雑貨店などの小売店や飲食店を開業する場合は、最初にある程度商品を仕入れておく必要があるかと思います。

 

また、商品を包装するための袋や飲食店だったら食材や調味料なども、開業時にある程度まとまった量を確保しておく必要がありますよね。

 

そんな風に、先々補充が必要になるけれど、開業時にまとまった数を用意しておかないといけない資産を購入する金額を計算します。

 

開業資金の目安の計算の仕方その2 つなぎ資金を算出する

事業を経営していく上では、たとえば、交通費や通通信、人を雇った場合は人件費など、日々いろんなお金が必要になります。

 

そのような日常の営業活動に必要になってくる資金のことをつなぎ資金と呼びます。

 

つなぎ資金を考えるときに大切な点は、入金と支払いのサイクルを考えて資金を計算することです。

 

たとえば、予算通りに売れずに、仕入れた商品が「在庫」として社内にストックされている場合、売上は上がりませんが、商品を仕入れた代金は支払わなければなりません。

また商品が売れたとしても、売上の入金より先に支払いが必要となった場合のためにも「つなぎ資金」をきちんと準備しておくことが大切です。

 

つなぎ資金を計算する場合は、売り上げが入金されるまでに支払いが必要な費用、また商品が在庫として残ってしまった場合でも支払わないといけない費用を計算して、つなぎ資金の目安を算出してください。

 

また、資金繰りがうまくいくように次の2点も考えておいてくださいね。

 

【資金繰りをスムーズにするためには】

  1. 資金繰りを悪化させる在庫ができるだけのこらないようにする
  2. 入金はできだるだけ早く回収し、支払いは遅くするなどして、資金繰りを悪化させないようにする

 

開業資金の目安の計算の仕方 その3 赤字補填資金を準備する

起業してすぐに事業がうまくいき軌道にのれば言うことはありませんが、どんなに努力をしても、綿密な事業計画を作ったとしても、何が起こるかは予測することはできません。

ですので、思っていたように売り上げが上がらずに赤字を出してしまうリスクも当然考えておく必要があります。

 

金融機関は赤字の企業にお金を貸してくれることはありませんので、創業前に赤字補填資金を用意しておかないと、事業を継続していくことが不可能になります。

 

起業して約5割の会社がビジネスを撤退せざるを得なくなると言われていますが、その大きな原因の一つが赤字補填資金を用意していかなったために資金が底をついてしまい、経営を続けられなくなるからです。

一方、あらかじめ赤字補填金を用意しておけば、たとえ赤字を出してしまっても、追加投入してその時期を乗り切り、再び体制を立て直すことが可能になります。

 

開業して長期的にビジネスを成功させられる5割の企業になるためには、赤字補填資金をちゃんと用意しておくことが重要です。

 

赤字補填金額は、開業後1年間ぐらいは赤字が続いても営業できる金額を用意しておくようにしてください。

 

開業資金の目安の計算の仕方4 1年間の生活資金を確保する

最後に会社経営以外に必要なお金、開業後の生活資金を計算します。

 

会社勤めの時は、会社からお給料をもらえますが、独立したら収入がゼロになってしまう可能性も覚悟しておく必要があります。

そんな時に生活資金の底がついてしまうと、精神的な不安が大きくなり、焦りとプレッシャーから適切な判断ができず、短絡的に質の悪い仕事やリスクの多い取引を引き受けざるを得なくなります。

 

そもそもせっかく起業したのに、また会社勤めに舞い戻ることになりかねません。

 

一方、自分や家族の生活資金をあらかじめ用意しておくことで、気持ちに余裕を持ってビジネスに取り組むことができます。

ですので開業後たとえ収入がゼロでも最低1年ぐらいは生活できる資金を準備しておいてください。

 

まとめ

開業資金は、1、開業準備資金、2、つなぎ資金 3、赤字補填資金 4、生活資金の4つにかかる資金を計算して準備してください。

開業して成功するまでは、短期決戦ではなく長期的な視点で取り組むことが大切です。そして開業後は思うように利益があがらないことも覚悟しておく必要があります。

 

赤字を出してからでは、お金を貸してくれる金融機関はありません。

 

ですので、売上の目標については楽観的な数字で考えず、開業後1年は赤字が続いても経営を続けられる金額を計算し、資金の計画を立ててください。そのうえで開業資金を用意することで、利益が出ない苦しい時期を乗り越えて、ビジネスを成功へと導いていくことができますよ。

 

大阪谷町の税理士、大山俊郎でした。

大山 俊郎

大山俊郎税理士事務所代表税理士

同志社大学商学部卒業後
父が経営する年商50億の会社へ入社

二代目経営者として
現場での下積みから
会社のヒト、モノ、カネ管理まで従事

特に
・銀行との交渉
・経理の改善
・資金繰り
・事業承継の対策
などに尽力

ある親族との同族問題で自社の株式
を売却をした経験から
「会社のヒト・モノ・カネの管理は
会社と経営者一族の運命を左右する」
ことを痛感

日本随一の
「同族会社経営を経験した税理士」
として事務所を開設し
「会社にお金を残す節税マニュアル」
を開発
全国の同族会社の経営者・法人経営者
向けに「会社を強くする仕組み作り」
を指導

大山俊郎のプロフィール

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